蒲公英草紙のあらすじ/作品解説

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蒲公英草紙

4.504.50
文章力
4.67
ストーリー
4.17
キャラクター
4.50
設定
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演出
4.67
感想数
3
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蒲公英草紙のあらすじ・作品解説

『蒲公英草紙』とは、恩田陸の切ないファンタジーであり、第134回直木賞候補となった作品である。「青春と読書」に2000年1月号から2001年2月号まで全14回連載され、他に「小説すばる」に連載された『光の帝国』と『エンド・ゲーム』との3作を合わせて『常野物語』(とこのものがたり)とされている。 昭和初期宮城県の農村で、少女峰子は大地主である槇村家の病弱の娘聡子の話し相手として屋敷にあがった。やがて不思議な能力を持つ「常野」と呼ばれる一族の、春日一家がやってくる。彼らは膨大な書籍や人物を「しまい」、それを「響かせる」ことを生業としていた。ある日、村が豪雨におそわれ、峰子と聡子、そして村の子どもたちに危険が迫る。心臓の弱い聡子は毅然とした態度で村の子どもたちを守り、しかし自分は濁流にさらわれてしまう。聡子を失った悲しみにくれる人々に、春日一家の長男光比呂は皆の前で聡子の一生を「響かせる」ことで慰める。懐かしい風景、切なさ、悲しさ、愛おしさが交錯する長編小説。

蒲公英草紙の評価

総合評価
4.504.50
(3件)
文章力
4.674.67
ストーリー
4.174.17
キャラクター
4.504.50
設定
4.504.50
演出
4.674.67

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蒲公英草紙の感想

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人と、常野の温かな繋がり

常野物語、2作目。1作目とは時代背景が違います。また、最初から最後まで、常野ではない一人の女の子の日記(蒲公英草紙)のような視点で書かれています。村の大地主であり代表的存在の「槙村一族」と、そのお屋敷の隣に住む医師一家の娘「峰子」、そしてひとつの場所にとどまらない特異な存在である「常野」。この本を読み始めてすぐは、1作目の「常野」の存在が好き過ぎたために、なかなかメインが出てこない、つまらない・・・と思っていましたが、そんなことはありませんでした。今回は、常野一族だけでなく、他の登場人物も非常に魅力的なんです。特に、洋画家の椎名さん!笑槙村の末娘聡子様はもちろんです!そこにいるだけでなぜか周りの空気を換えてしまう人って、確かに存在します。常野物語シリーズは、そういう不思議な人と人の交わりを、ファンタジックに描いた作品だと思います。この感想を読む

4.54.5
  • しろいとりしろいとり
  • 88view
  • 370文字

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