真昼なのに昏い部屋の評価
真昼なのに昏い部屋の感想
最後の1行がホラーな恋愛小説「真昼なのに昏い部屋」
江國香織お得意の不倫小説である。不倫は今や文化になったのか否かはおいておいて。真昼なのに昏い。というのが不倫の本質なのか。昏いからこそ、惹かれる。昏さが常に付きまとう背徳感が不倫の愛情のスパイスであるのか、それとも大部分を占めてしまうのか。夫がいながらも、ジョーンズさんに惹かれる主人公の美弥子さん。美弥子さんのことを可愛い小鳥だと思うジョーンズさん。ジョーンズさんに会って初めて籠の存在を知り、外に出たいと願う小鳥=美弥子。籠の外に幸せはあるのか。お互いを思う心は止められずに物語は進行しますが最後の1行、ジョーンズさんの本心に背筋が凍ります。最後の1行が不倫の本質であるばかりか男女の本質でもあるのかもしれない。怖い。ひたすらに怖い。