もう誘拐なんてしないのあらすじ・作品解説
『もう誘拐なんてしない』(文春文庫)は、2010年に発刊された、ミステリー小説である。 著者・東川篤哉は小説『謎解きはディナーのあとで』(小学館)で2011年の第8回本屋大賞受賞・第11回本格ミステリ大賞(小説部門)候補に選ばれるなど、高い評価を受けている。また、『謎解きはディナーのあとで』は作者別売上ランキング(2011年時点)に【233.9万部】でトップに躍り出た人気小説でもある。 そのような実績のある東川の書いたこの作品は、偶然出会ったヤクザの娘である女性に「私を誘拐してください」と頼まれた青年が、わがままに振り回されながらも狂言誘拐の犯人となってしまう小説である。 2012年4月14日には人気アイドル、嵐の大野智主演でフジテレビの土曜スペシャルドラマとしてドラマ化され、平均視聴率は13.7%(関東地区)であった。 またこのドラマは同年7月11日にDVD/Blu-ray発売されており、7月23日付オリコン週間DVDランキングで初登場総合首位という華々しい結果を残した。
もう誘拐なんてしないの評価
もう誘拐なんてしないの感想
読み終わった後、タイトル通りの気持ちになる作品
「もう誘拐なんてしない」というタイトルだけ見ればなんだか大変シリアスな展開が待っていそうな気がしますが、そこは東川篤哉作品、読み終わった後に「なるほど誘拐なんてするものじゃないな」と笑わせてもらえました。キャラクターが相変わらず個性的で展開も分かりやすいので、ミステリーが苦手な人でも楽しく読めるのではないでしょうか。ただキャラクターが個性的過ぎて謎を解いていくというよりはドタバタ冒険小説を読んだような印象になりました。気持ちのいいラストではあったけれどもう少し人間模様や感情を絡めてもよかった気がします。漫画化やドラマ化するには動きもあるし賑やかで良いかもしれません。
誘拐なんて恋なんて。
「もう誘拐なんてしない」。タイトルのセンスにまず惹かれて手に取りました。よっぽど懲りる何かがあったんだな…、いや、でもそもそも犯罪なんだから最初っからやめとけ!!…とか色々思いながら読み始めたものです。出会ってしまった女子高生を何だかんだで誘拐してあげることになった主人公の男子大学生ですが、もちろんいい塩梅にただでさえ前途多難です。そしたら狂言誘拐に他の事件も絡んできてえらいことに。こーれは懲りるわ。いっそ可哀想になってきます。女子高生のパパンの組長もある意味で魅力的なキャラクター。あと出る女子出る女子、料理が残念なのも素敵。それにしてもこの作家さんの書くモノローグ、面白いです。序盤だけパラ読みしてみたらレジに持っていくことになった読者さん、結構いるんじゃないでしょうか。