きよしこの評価
きよしこの感想
自分を少しだけ好きになれる本
読み終わり、すごく心が温かくなりました。 吃音の少年が周りの友達たちとともに成長していく話です。 最初、きよしこって何のことだ?って思ってましたが、やっと謎が解けました(笑) 子どもの時って、そういう解釈の仕方ありますよね。 自分で勝手に考えてるんですけど、大人になると正しいことがいいことになっちゃうから、そういう間違いすらしなくなると思うんですよ。 だから、子どもの頃の妄想やわがままさって今思うととても大事かなって。 今は、何か持っていることにものすごい敏感で、吃音とかあったら、やれ言葉の教室行けだの、検査受けろだのなりますが、昔ってそれすらも個性になっちゃうのかなって。 その人なりの生き方を、子ども同士で感じながら認め合う。 今はちょっとでも人とちがったり、何か持ってたりするのを認め合うよりも、下に見てかわいそうに思うっていうのが風潮になってるというか、あの子はああだからってやたらに...この感想を読む
いつか息子に読ませたい本。
重松清さんの自伝的小説です。吃音(どもり)で人とのコミュニケーションに苦しむ少年が、自分と向き合って成長していく姿が淡々と描かれています。派手さはないですが、しんみりと心の奥に伝わる優しいお話です。「本当はああ言いたいのに、こう言いたいのに」と、口から出そうとするとノドにつっかえて言いたい事が言えず、もどかしい、悔しい、悲しい。吃音でないけど、私も同じような気持ちになることがあるので、痛いほどシンクロしました。吃音に限らず、人は何かしら困難・コンプレックスで立ち止まったりすることがあります。結局はそれは自分自身と闘うしかないんですよね。「立ち止まるだけではダメ、自分で乗り越えるしかない。」という力強さが、静かに心に残りました。いつか息子に読んで欲しいです。そして、いろんな事を感じてとって、成長して欲しいと思いました。
著者の自伝
短編集です。著者、重松清さんは子供の頃吃音があったそうです。主人公のきよしにも吃音があります。他人に気持ちが伝えるのが下手くそです。この本は、人の気持ちを考える大切さ、思いやりとは何なのか考えさせてくれます。いじめとか差別とか、思いやりの不足によって起こるんだろうなぁと想像できます。読み進めていくにつれて、自分を省みる瞬間が何度か訪れました。人間は何て軽く差別をし、いじめの傍観者になるんだろうと思いました。きよしの、というか人間の強さも読んでいて勇気付けられます。子供がこの本を読める年齢になったら読ませたいと思います。そして感想を聞いてみたいです。