ノートに書いたり録音したりしなくても覚えてるのを、思い出っていうんだ
武田健一
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作品名「ステップ」の意味重松清さんの作品では「とんび」や「流星ワゴン」など、「父と息子」の関係を描かれた作品を読んだことがあります。この「ステップ」では「父と娘」についてのお話だったので父と息子の話は2冊しか読んだことがないにもかかわらず珍しいなと感じてしまいました。親子愛を書かれることが多いですよね。読み進めていく中で娘が保育園、小学校、と進んでいくので、娘の成長を「ステップ」というタイトルで表しているのだと思ったのですが、妻をなくした夫が次の恋に進むまでのステップであったり、今はよく聞くようになった「ステップファミリー」のステップだったりにかかっているそうです。これはとても納得!「パパの抱っこって忙しい」というセリフがありましたが、なんともいえない新鮮な気持ちになりました。なるほど、というか。残されたのが母親であったならただ愛情表現をするだけの抱っこを自然にできるのでしょうが、父だ...この感想を読む
武田健一
妻を若く亡くし娘と2人暮らしになった父、健一。妻の思い出話を妻の友達から聞くときに、娘の美紀に、ノートやテープレコーダーは持って行かないの?と聞かれたときに答えた父の言葉です。