人は外見に騙される、という例だよ。見た目は大事なんだ
成瀬
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『陽気なギャングが地球を回す』は祥伝社から刊行された伊坂幸太郎のサスペンス小説であり、2006年には大沢たかお、佐藤浩市、松田翔太、鈴木京香らのキャストで映画化された。講談社でのコミック化もされており、伊坂幸太郎の名をミステリファンに留まらず世間一般に知らしめた作品である。 この作品は4人組の銀行強盗によって繰り広げられる群像劇である。人の嘘を見抜く名人、正確無比な体内時計を持つ女、スリの名人、そして演説の達人というそれぞれ特異な才能を持った4人がタッグを組み、「人を傷付けない」というポリシーの下銀行強盗を繰り返していた。ある日、4人がいつも通り銀行を襲い奪ったお金を輸送中、別の現金輸送車襲撃犯にお金を横取りされてしまうというハプニングが発生する。そのお金を奪還すべく4人は動き出すが、予想外の出来事が次々に起こり右往左往してしまう。サスペンスでありながら登場人物たちのどこかコミカルなやりとりが読む人を飽きさせず、テンポ良く最後まで読める作品である。
伊坂幸太郎氏はこんなテイストの長編小説を書くこともできるんだ! というのを世に知らしめた一冊だと思う!まず設定がずば抜けている。他人の嘘を見抜くことのできる男、正確な体内時計を持っている女、スリの天才である男、口から生まれたような演説好きな男。こんな破天荒な4人が集まって行なうのは銀行強盗(!)。 こんな設定で伊坂幸太郎氏にかかれば、面白いことが起こらない訳がない。緻密なパズルのような構成の妙はこの作品でも冴えわたっていて、複雑な要素が絡み合い、ラストへ向かっての疾走感は本当にわくわくする。そしてやはり騙されるべくして騙される。エンターテインメント性の非常に高い一冊。読んで、買って損無し!
最初はこの小説のタイトルとパッケージに目を奪われて、そのまま読みました。こんなにハマるとは自分でも思っていなかったのでびっくりです。ただひたすらにキャラクターが濃すぎる。だからこそ自分の中で勝手にイメージを作ることができましたし、この登場人物ならこんなことしちゃうんだろうな、などと想像することもできてこの作品の一番の良さは登場人物にあるのではないかと思っています。強盗なんかもしちゃうのですがこの四人だからこそ咎めるというよりはなんか応援したくなりました。あとは会話文が多いので余計に四人のキャラクターを際立たせていてとてもても面白かったです!
伊坂さんの作品はとにかくキャラが面白いです。一見普通の人でも、強烈な個性を隠し持っていたりする…それが、小説ならではの面白さにつながっています。この本は、その「キャラが濃い」という面で、他の小説からぬきんでています。4人のギャングが、それぞれまったく違う才能を持っており、それを活かして銀行強盗をやらかします。マンガを読むような気分で読めた小説でした。だけど、マンガとは違って、自分の中で、それぞれの容姿を作りあげられるところがさらに楽しい。映像化されているみたいで、それはそれで気になるのだけど、自分の中のイメージが崩されるのがいやで、見れないでいます。
よみがな:なるせ
成瀬
強盗団の一員がふざけて警官の恰好をして仲間に会ったら、銃で撃ち殺されてしまった。という例の後に言った言葉。真実と嘘を見極めなくてはならない。
成瀬
立っている警察官の姿を見た、仲間の久遠に対しての言葉 8ページ