陽気なギャングが地球を回すの感想一覧
伊坂 幸太郎による小説「陽気なギャングが地球を回す」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
クライム・コメディの最高傑作
伊坂幸太郎氏はこんなテイストの長編小説を書くこともできるんだ! というのを世に知らしめた一冊だと思う!まず設定がずば抜けている。他人の嘘を見抜くことのできる男、正確な体内時計を持っている女、スリの天才である男、口から生まれたような演説好きな男。こんな破天荒な4人が集まって行なうのは銀行強盗(!)。 こんな設定で伊坂幸太郎氏にかかれば、面白いことが起こらない訳がない。緻密なパズルのような構成の妙はこの作品でも冴えわたっていて、複雑な要素が絡み合い、ラストへ向かっての疾走感は本当にわくわくする。そしてやはり騙されるべくして騙される。エンターテインメント性の非常に高い一冊。読んで、買って損無し!
ハマってしまいました!
最初はこの小説のタイトルとパッケージに目を奪われて、そのまま読みました。こんなにハマるとは自分でも思っていなかったのでびっくりです。ただひたすらにキャラクターが濃すぎる。だからこそ自分の中で勝手にイメージを作ることができましたし、この登場人物ならこんなことしちゃうんだろうな、などと想像することもできてこの作品の一番の良さは登場人物にあるのではないかと思っています。強盗なんかもしちゃうのですがこの四人だからこそ咎めるというよりはなんか応援したくなりました。あとは会話文が多いので余計に四人のキャラクターを際立たせていてとてもても面白かったです!
面白くてどんどん読めます。
伊坂さんの作品はとにかくキャラが面白いです。一見普通の人でも、強烈な個性を隠し持っていたりする…それが、小説ならではの面白さにつながっています。この本は、その「キャラが濃い」という面で、他の小説からぬきんでています。4人のギャングが、それぞれまったく違う才能を持っており、それを活かして銀行強盗をやらかします。マンガを読むような気分で読めた小説でした。だけど、マンガとは違って、自分の中で、それぞれの容姿を作りあげられるところがさらに楽しい。映像化されているみたいで、それはそれで気になるのだけど、自分の中のイメージが崩されるのがいやで、見れないでいます。
楽しすぎる愛すべきギャング達。
人間嘘発見器の成瀬、スリの天才の久遠、口から生まれたような響野、正確な体内時計を持つ雪子。この成功率100%の4人組ギャングが銀行強盗に挑みますが、今回は途中で邪魔が入ってしまいます。一体誰が、この4人組に挑んだのか?最初から最後まで、本当に、みんなよくしゃべります。そのテンポが良くて、楽しくて銀行強盗でさえ楽しそうにやっちゃうのが面白くて!文章に疾走感があって最初から最後まで息継ぎせずに一気に走り抜ける感じで読めます。そして単純に面白い!特に、章の最初に、事件に関連するキーワードを広辞苑風に説明してあるのですがこれが面白すぎます。伊坂さん、スゴイ人です。