怒ってるなんて言葉じゃ足りねえんだよ
木村雄一
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小説レビュー数 3,368件
周到に用意された伏線と鮮やかな回収。伊坂印のエンターテイメントな傑作!小説に「技巧」があるならば、ある意味これは技巧をこらした小説の極致なのではなかろうか。計算されつくした舞台装置。次々と替わる物語の視点、交差する思惑。周到に用意された伏線と鮮やかな回収。そう、まるで、「伊坂印の」と判を押したくなるほど、全力でファンの期待に応えたかのようなエンターテイメント作品となのである。本書は2010年、著者デビュー10週年に書き下ろされた作品。この作品の前後に刊行された作品は、下記のとおり。「あるキング」(2009年)「SOSの猿」(2009年)「オー!ファーザー」(2010年)「バイバイ、ブラックバード」(2010年)本書を挟んで、「PK」(2011年)。「オー!ファーザー」と本書を除いた他の作品はどれも、鮮やかな伏線回収というよりも、あえて謎は謎として打っちゃったような作品群。一部では(作品の面白さとは別に)、伊坂幸太郎な...この感想を読む
登場人物が面白い。王子のイヤミなキャラはホントにイライラさせてくれました。言動のひとつひとつが不快感を誘い、すすむにつれて、木村と同じように殺意が芽生えた程です。また、キャラとして果物の蜜柑と檸檬が良いです。こちらは、殺し屋のはずなのに面白さのあるキャラで、特に機関車トーマスを軸に会話がすすんでいくところは、2人が殺し屋というのを忘れさせてくれました。果物2人は好きなものや性格がバラバラなのに、トーマスや文学を通じて会話が成立していたり、意思疎通も出来ているのは面白く感じた。読んだことのないパターン私はグラスホッパーより先にマリアビートルを読みました。そして、このようなパターンの小説は初めてだったので、読み始めた時はメインキャラを探すのも面白いと感じた小説です。初めは木村から物語が始まるため、通常の小説の場合は木村が主人公に思うのですが、実際ストーリーが進むにつれて王子や果物、天道虫など...この感想を読む
木村雄一
木村の息子、渡を殺害した慧と直接対決する場面
木村雄一
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