死神の浮力の評価
死神の浮力の感想
死神さんは音楽がお好き
娘を殺された小説家、サイコパス、死神平積みされていた文庫本の中で帯に「死神、サイコパス」と書かれた本を発見。ちょうど私がサイコパスの心理に興味持ち始めたところだったので迷わず購入しました。本城って結局、人との交流のなかで、強烈な自分の印象を残したくて殺人をするのだろうか?!って思いました。山野辺が「おまえって誰だっけ?」「名前、なんだった?」と言ったことがトドメのようになって、本城が落ちることになりましたね。あの部分は痛快でした!そしてこの小説でおもしろいキャラクターに出会えました!「死神」!普通、娘を殺害された恨みをはらす復讐劇となれば、読んでいて「怒り」「悲しみ」等の気持ちで埋められ暗い気持ちで読まなければならなかったりすると思うんです。でも、この死神の存在が、読者にとっても、この小説の山野辺夫妻にも、ちょっとした癒し?!というか・・・いい意味で緊迫感を解いてくれてすごく面白かった...この感想を読む
あの死神が帰ってきた
受け答えがちょっと変わっていて、音楽が大好きで、雨男のあの死神が帰ってきた。書店にてこの本を見つけた時はすごくうれしかったのを覚えています。これは以前に出版されている死神の精度という作品の続編です。死神の精度は短編小説が複数構成されているスタイルですがこちらの死神の浮力は長編小説。不思議で人間とは違う感情を持っている、すごく魅力的な千葉の物語にどっぷりつかることができます。千葉は死ぬ予定の人間を観察してその人間が死ぬべきか生きるべきかを決める死神。人間とは違う価値観で生きているので時にはドライのように思えます。それでも魅力的なのは自分の仕事にたいして精いっぱいでまっすぐだから。今作で千葉は娘をサイコパスに殺された夫婦とともに7日間過ごします。夫婦は娘への復讐を決意している。千葉は独自の価値観をもっているので復讐をしっても協力も否定もしない。娘を殺された、という夫婦に対しての同情、犯人への...この感想を読む