吉祥寺の朝日奈くんのあらすじ/作品解説

恋愛小説短編集

短編集。五編の恋愛小説。題名となっている『吉祥寺の朝日奈くん』は、若い青年と子持ち既婚主婦の恋愛の話である・・・と書くとドロドロした不倫劇を想像してしまうかもしれないが、決して嫌な印象がない。作者の書く文章が爽やかなのだ。又、主人公やそれに関わる人々の性格が良いのもポイントである。人間臭さも持ちつつ、でもなんだか憎めない。『三角形はこわさないでおく』も爽やか青春恋愛小説という感じで好きだ。三角関係になるかならないか、という話だが、やはりこれも殺伐とした感じは全くない。ふんわりした空気感で話が進んでいく。登場人物達の「人のよさ」がにじみ出ている。作者は題名に登場人物の名を使うのが好きなのだなぁ。