しゃばけのあらすじ・作品解説
「しゃばけ」は、畠中恵のファンタジー時代小説で、表紙絵は時代物を中心に描き活躍中の柴田ゆうが担当している。 畠中恵は、2001年に日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞し、本作品がデビュー作となる。シリーズ化されており、2014年7月時点で14作品出版されている。シリーズ累計では670万部を超える人気作品である。 江戸時代、大店の薬種問屋の一人息子である一太郎が主人公で、身の回りに起きる不可思議な出来事を解決していく。妖怪の血をひいた一太郎は、その姿を目にすることができるので、身体の弱い自分の代わりに、妖怪達に助けてもらいながら事件を解決する。人情話に推理要素も加わった娯楽小説である。 2002年にはラジオドラマ化、2007年にはテレビドラマ化、2013年には舞台化もされている。トリビュート漫画化もされており、複数の漫画家によって描かれている。関連のグッズなどが販売されていることからも、人気の高さが伺われる。
しゃばけの評価
しゃばけの感想
しゃばけシリーズ第一作目
畠中恵さんのしゃばけシリーズ第一作目「しゃばけ」。江戸時代を舞台に繰り広げられるミステリー仕立ての愉快なお話。江戸有数の大店長崎屋の一人息子、一太郎が主人公です。いつもまわりに気遣われてしまうほど病弱なんだけれどハンサム、そして大金持ち。でもただの甘ったれのお坊ちゃん・・ではなく頭脳明晰で心優しい人柄がとっても魅力的。弱くても、逃げないで対決する芯の強さ。素直でまっすぐな強さも持ち合わせた若旦那。すっかりファンになりました。若旦那に仕える実は妖(あやかし)の仁吉と佐助とのコミカルなやり取りが笑えました!ドラマ化されているので、映像でも楽しみたい作品です。
ままならない人生を放り出さない強さ
江戸時代を舞台に、大妖の血をひくそれはそれは体の弱い若旦那が、守り役の妖たちと謎解きをする『しゃばけ』シリーズの1作目です。江戸時代が舞台なので歴史小説のカテゴリーにも入りますが、文体はいたって平易、難しい言葉もあまりなく読みやすいので、現代ものをよむ感覚で読めると思います。妖がたくさん出てきますが、怪談という雰囲気ではなく、ちょっと個性的すぎる友達という感じなので、怖いものが苦手な人も平気です。主人公の若旦那は、元気でいるより病気をしている時間が長く、仕事はしたくてもさせてもらえないという病弱の極みのような人で、その幼馴染の菓子屋の息子は菓子作りは好きなのに一向に腕が上がらないという人です。どちらも順風満帆とは言えない現実を抱えています。それでも、互いのことを思い、前向きに日々を送っています。一方、この作品の事件の元凶は、付喪神になれそうでなれなかった妖が己の欲望をかなえる霊薬を求め...この感想を読む
読みながらニコニコしてしまいます。
病弱で何かあるとすぐ寝込んでしまうひ弱な若旦那と大甘な両親、お世話をするのは妖達・・・ちょっと変わった江戸時代のお話第一弾です。江戸時代の話で決して微笑ましいことばかりではなく中には生々しい事件も出てくるのですが、若旦那と若旦那を取り巻く人?妖達のおかげで微笑ましい話になってしまいます。文章もわかりやすく、さくさくと読み進めていけます。今では妖怪はいない、空想上のものだとされていますが、むかしは妖怪は普通にいるもので、普通に私たちと共存し一見したら見分けがつかないと思われていましたが、この話を読んで、これだけ妖怪と人間が混在していると私が接しているコンビニ店員・・・まさか!と一瞬疑いたくなってしまいます・・。