ねこのばばのあらすじ・作品解説
ねこのばばは、畠中恵によるしゃばけシリーズの第3弾として2004年に新潮社から刊行された大人気時代ファンタジー小説である。 本作品も前作同様、短編集となっており、江戸の町に住む廻船問屋兼薬種問屋の若旦那、一太郎と、一太郎がいつも床に伏せている離れへと、おやつや酒を楽しむために集まる怪(あやかし)達が、離れに持ち込まれた様々な人々の相談事や事件を次々と解決して行く物語となっているため、ファンタジー小説でもあり、ミステリー小説としても充分に楽しめる作品でもある。また、個性豊かなキャラクターが登場するため、お気に入りの一人を持つ読者も少なくない。 前作では病弱な若旦那をひたすらに甘やかす兄や、仁吉を主人公とした短編が織り交ぜられていたが、本作品では強面なのに若旦那にだけはめっぽう甘いもう一人の兄や、佐助の物語が綴られ、女性から人気の一遍ともなっている。 2006年には新潮社から文庫本として新たに刊行された。
ねこのばばの評価
ねこのばばの感想
しゃばけシリーズ第三作目
前作から続き、しゃばけシリーズ第三作目「ねこのばば」です。今回も短編ものでテンポよく読めました。「茶巾たまご」、「花かんざし」、「ねこのばば」、「産土」、「たまやたまや」、の五作が収録されています。前と変わらず仁吉、佐助の二人は若旦那一太郎を甘く甘く過保護、、大事にしています。全部のお話が面白いけれど中でも印象的だったのが「産土」。佐助こと犬神の過去のエピソードで、妖しさ恐ろしさを感じました。仕込まれたトリックに騙されそうになり・・初めは若旦那と佐助のお話かと思いきや・・あれ?っという展開。最後のどんでん返しにほっとしました。犬神の切なさ、またよかったです・・
珍しく若旦那が大活躍
いつもひ弱な若旦那と、取り巻く甘々な両親、妖たち・・・しゃばけシリーズ第3弾です。今回はめずらしく若旦那が大活躍します。いつもひ弱で手代さんたちに守られていたのに、急に元気になって寝込まなくなったり、幼馴染の栄吉さんの妹の為に、結婚相手を確かめに行ったり、、今までと違う若旦那を見ることができます。いえ、体がひ弱なだけで、聡明で行動力がある、本当の若旦那が出ているだけかもしれません。体調と周りの甘やかしでいつも甘ちゃんな坊ちゃんにみられていますが実は頭の回転が速く男気あふれた人なのかもしれません。この本で、私の中の若旦那の株がずいぶんと上がったのは間違いないです。