実際にあったかもしれないと思えるファンタジー
魅力的な設定主人公は、江戸時代の有数な廻船問屋の一人息子・一太郎。妖(あやかし)の血を引いているため、様々な妖を見たり話したりすることができます。現代では、なかなか信じられない妖の存在も、読み進めていくと、江戸時代にはもしかしたら実際に居たのかもしれない、という気持ちになってきます。一太郎は非常に体が弱く床につきがちなのだが、何故かしら様々な事件に巻き込まれ、妖と協力して事件を次々と解決していく様子がドキドキハラハラしながらも楽しく読むことのできるシリーズです。こわいはずの妖がこわくない妖というと、何か悪さをされるのではないか、と幽霊と同様にこわいイメージを持つことが多いのですが、この小説で出てくる妖は非常に愛着のある妖ばかりです。実際に見たことがないため、イメージのしにくい妖の姿も、たまに描かれている挿絵でどのような姿かたちかを知ることができます。何も知らずに見るとこわいかもしれませ...この感想を読む
4.04.0