珈琲店タレーランの事件簿の評価
珈琲店タレーランの事件簿の感想
「つながり」が生む謎、解き明かすバリスタ。
珈琲店 タレーラン コチラ☟「珈琲店タレーランの事件簿」は、読む人によっては、少々文章がくどいと感じるかもしれない。それほどまでに主人公の心情やキャラクター、状況の描写が細かいからだ。しかし、その描写が、読む人をタレーランの世界に誘い込んでくれる。タレーランとは、この物語の舞台である京都、その小路の一角にある珈琲店の名前だ。そこのコーヒーに魅せられた常連のアオヤマと、その魅力的なコーヒーを淹れるバリスタ、切間美星が送る、楽しく、不思議で、ほんの少しの怖さが味わう素敵な物語だ。引き込まれるキャラクターこの本で最も評価されるべき点をひとつあげるなら、それはキャラクターだ。作者が描く、それぞれのキャラクターは、簡単には説明できない過去や秘密を持ち、それぞれの背景を持っている。切間美星、バリスタ ─趣味、謎解きタレーランのバリスタである切間美星(以下バリスタ)は、この物語の中心人物だ。日常に転...この感想を読む