つくもがみ貸しますのあらすじ・作品解説
つくもがみ貸しますとは、畠中恵による小説作品。2007年角川書店より出版された。畠中の「つくもがみシリーズ」の第一作目にあたる。 舞台は、お江戸の片隅の損料店「出雲屋」。鍋・布団・釜など様々な品を客に貸し出す、とくに珍しくもない商売であるが、出雲屋の古道具の中には、時に奇妙な品も混ざりこむ。作り出されて100年がたった古い道具は「つくもがみ」という妖怪となり、暇を持て余している上におせっかいなものだから、彼らは今日も貸出先で騒動を拾ってくるのだった…というストーリー。 同じく江戸を舞台とした大人気小説「しゃばけ」で日本ファンタジー大賞を受賞し、一躍有名となった畠中だが、今作品で新境地を見せている。著者独特の「ほんわか」加減と、ハッピーエンドで終わる心地よさが人気となり、畠中ファンだけではなく新たな読者をつかんだ作品となった。今作品のヒットを受けて2013年に出版された続編「つくもがみ、遊ぼうよ」も好評である。
つくもがみ貸しますの評価
つくもがみ貸しますの感想
つくもがみがいい味だししてます
『しゃばけ』シリーズの畠中恵さんの江戸時代作品の1つです。タイトルどおり、古道具屋の血のつながらない訳あり姉弟が貸し出す古道具の中に紛れている妖怪『つくもがみ』が、姉弟をトラブルに巻き込み、またそのトラブルの解決に一役買うという、一風変わった謎解き物語です。この『つくもがみ』たちが個性的で、すごくいい味を出してます。おだてに弱かったり、へそを曲げたり、噂話に興じたり、とにかく人間臭いんです。それに対する、古道具屋姉弟、特に弟の反応も、まるで人間を相手にしているかのようで、事件の内容もそれほど重い話はなく、全体的にほのぼのしていて、まさしく畠中ワールドという感じです。最後には、訳あり姉弟の仲がちょっと進展したりするのですが、それもまた初々しくて、楽しく読める作品です。『しゃばけ』もお勧めですが、気楽に読めるこの作品もぜひお勧めなので、シリーズ化されている『しゃばけ』を読もうかどうか迷って...この感想を読む
つくもがみ借ります
みんなが選んだ発見!角川文庫にも選ばれている、畠中恵の歴史ファンクション小説のひとつで、江戸が舞台の作品です。主人公はお紅と清次の姉と弟で、この二人が切り盛りする古道具を貸し出すお店のお話です。このお店の古道具は長年使われてきたため、つくもがみという妖怪と化しており、人の言っている言葉がわかり、喋る事もできるのです。このつくもがみ達が貸し出された先々で色々な噂話を聞いてきたり、事件に巻き込まれていくことでストーリーが進行します。ほろりと切なく、ふんわりと暖かくなる畠中恵らしい作品となっているので、是非みなさんも読んでみてください。歴史に詳しくなくても気軽に読める作品になっています。