ガールのあらすじ・作品解説
『ガール』は2006年に単行本が講談社から刊行され、2009年に文庫化された奥田英朗によるオムニバス小説である。表題作をはじめ2003年から2005年にかけて「小説現代」で掲載された5作品が収録されている。2012年に映画化され、オムニバス形式を取っている小説を映画用に再構成した内容で公開された。香里奈主演、共演者に麻生久美子、吉瀬美智子といった女優陣によって仕事も境遇も異なるが仲の良い4人が演じらた。 働く女性を取り上げた作品で、キャリアウーマンとしてバリバリ働く5人の女性たちの迷いや焦り、いらだちといったそれぞれの葛藤を描いている。仕事と恋愛、子供、シングルマザーといったイマドキ女子ならば思わず気をひかれそうなテーマで物語は展開し、そこで描かれる登場人物たちもリアリティがあって女性たちの共感を呼んでいる。表題作では広告代理店に勤めて10年になる主人公、由紀子の若いころと比較しての自分自身と周囲の変化に対する焦りやとまどいが細かに描かれている。
ガールの評価
ガールの感想
女って素晴らしい!そう感じる媚薬
男性が描いたとは思えないガールな話今から10年ほど前に、奥田英朗氏によって書き下ろされたオムニバス作品。奥田英朗氏は、もちろん男性なのですが、女性以上に女の気持ちを表現している小説です。内容は、ひと言で言うと、めちゃくちゃに面白いです。もしかして、奥田英朗さんは、女じゃないのか?と思うぐらいに女性の立場と視点で、物語が展開していきます。物語は、どれも30代半ばになった女性の生活をリアルに描いた作品。この作品を読みながら、そうか女性ってこういう事を気にしたり、悩んだりしているんだよなっと改めて思い知らされました。例えば、20代の女性から30代、40代と年を重ねて行けば、確実に見た目も変わり、周囲の態度も変わってきます。でも、女性っていつまでも、そうなりたくない、そうならないと、頭のどこかで願うわけです。見ないように、感じないようにして、いるのですが、この作品は、女性が年を重ねて行く葛藤を真正面から...この感想を読む
バリバリ共感、読んだら元気でた!
こないだ読んだ「マドンナ」が中間管理職のサラリーマンの作品だったから、それの女性バージョン。対で読んでもいい感じ。30代半ばの微妙なお年頃(?)の働く女性の気持ちがメチャメチャリアル!「だよね〜」「分かってるってば!」とか、間の手入れながら、陽気な気分で読んでしまいました。男性社会の中で片意地はって仕事してるけど、やっぱ可愛くて痛々しい。働くガールってやっぱ大変だわ。そして、「オバサン」じゃなく「ガール」のままでいたい!という気持ちにバリバリ共感。読んだらなんか元気出た!それにしても、奥田英朗って人は、なんでこんなに女性の心の奥底までお見通しなんだろう。この観察力には脱帽モノです。そして、『マドンナ』も『ガール』も、やや男性が尻に敷かれ気味なのは共通な気がします。奥田さんもやっぱ女性には弱いんだろうな(笑)
色々な立場のガールたちの物語。
30代の働く女性達の短編5つから構成された小説で映画の原作にもなっている本です。いつまでもガールでいたい女性やシングルマザーなどの立場の違う女性たちが会社でOLとしてトラブルや悩みにぶつかりながらも頑張る、お仕事小説といった感じです。作家さんが男性ですが女性ならではの心理描写が細かいな、と感じました。本当なら、もっとドロドロした心理もあるでしょうがそこまで深く触れずに書かれているので嫌な気分になったりはしないです。さらっと読めます。ただ、実際のOLさんが読むとちょっと共感しにくい部分などがあるかもしれないな、と思いました。キレイにまとまりすぎてる、という感じもするので。