ガールの感想一覧
奥田 英朗による小説「ガール」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
女って素晴らしい!そう感じる媚薬
男性が描いたとは思えないガールな話今から10年ほど前に、奥田英朗氏によって書き下ろされたオムニバス作品。奥田英朗氏は、もちろん男性なのですが、女性以上に女の気持ちを表現している小説です。内容は、ひと言で言うと、めちゃくちゃに面白いです。もしかして、奥田英朗さんは、女じゃないのか?と思うぐらいに女性の立場と視点で、物語が展開していきます。物語は、どれも30代半ばになった女性の生活をリアルに描いた作品。この作品を読みながら、そうか女性ってこういう事を気にしたり、悩んだりしているんだよなっと改めて思い知らされました。例えば、20代の女性から30代、40代と年を重ねて行けば、確実に見た目も変わり、周囲の態度も変わってきます。でも、女性っていつまでも、そうなりたくない、そうならないと、頭のどこかで願うわけです。見ないように、感じないようにして、いるのですが、この作品は、女性が年を重ねて行く葛藤を真正面から...この感想を読む
バリバリ共感、読んだら元気でた!
こないだ読んだ「マドンナ」が中間管理職のサラリーマンの作品だったから、それの女性バージョン。対で読んでもいい感じ。30代半ばの微妙なお年頃(?)の働く女性の気持ちがメチャメチャリアル!「だよね〜」「分かってるってば!」とか、間の手入れながら、陽気な気分で読んでしまいました。男性社会の中で片意地はって仕事してるけど、やっぱ可愛くて痛々しい。働くガールってやっぱ大変だわ。そして、「オバサン」じゃなく「ガール」のままでいたい!という気持ちにバリバリ共感。読んだらなんか元気出た!それにしても、奥田英朗って人は、なんでこんなに女性の心の奥底までお見通しなんだろう。この観察力には脱帽モノです。そして、『マドンナ』も『ガール』も、やや男性が尻に敷かれ気味なのは共通な気がします。奥田さんもやっぱ女性には弱いんだろうな(笑)
色々な立場のガールたちの物語。
30代の働く女性達の短編5つから構成された小説で映画の原作にもなっている本です。いつまでもガールでいたい女性やシングルマザーなどの立場の違う女性たちが会社でOLとしてトラブルや悩みにぶつかりながらも頑張る、お仕事小説といった感じです。作家さんが男性ですが女性ならではの心理描写が細かいな、と感じました。本当なら、もっとドロドロした心理もあるでしょうがそこまで深く触れずに書かれているので嫌な気分になったりはしないです。さらっと読めます。ただ、実際のOLさんが読むとちょっと共感しにくい部分などがあるかもしれないな、と思いました。キレイにまとまりすぎてる、という感じもするので。
女の人には共感するところあり?
オムニバスな感じで、それぞれの女の生き方見たいのが書かれている。いつまでもガールでいたい30前の女。出来る年上の部下がいる、出来る女。マンションを買うか迷う女。働くシングルマザー。年下の新人部下に一目惚れをする、女を忘れた女。どの設定も周りにいそう。だし、いる。結婚が勝ち組だとも思わないし、働き続けて地位を確立していくのも勝ちだとは思わない。どの生き方も自分らしくあればいいんじゃないかと思う。それぞれの悩みにそれぞれ共感できてそれぞれの生き方に憧れる。ちょっと女をすることに疲れたら、読んでみるといいかも。あー、そうだよな、そうだよね。いいんだよな。って読んだ後に思うかも。