ありとあらゆる状況を想定して書かれたたくさんの手紙
総勢36人の作家が書く手紙このような本は読んだことがなかった。何人かの作家が共通したテーマで短編を書くアンソロジーのようなものは読んだことがあっても、36人もの作家たちが集うような本は読んだことがなかったのだ。テーマは違えど手紙という形をとって何かを伝えるその文章は、それぞれの作家たちの個性によってそれぞれ全く違う雰囲気をまとっている。そのまま「手紙の用例」に使えそうなものもあるし、OLが居酒屋で愚痴を言い合うような軽いものもあるし、高校生が授業中に回す手紙のようなかわいらしいものもある。そういうのを読むのはとても楽しいものだった。普段アンソロジー的なものを読むときは、大体新しい作家に出会いたいという気持ちからだけれども、今回は手紙という形をとっているだけあって、一つ一つがとても短い。長くとも3ページほどのそんな文章でその作家を判断するのはかなり無理があるので、今回はそういう出会いはな...この感想を読む
2.52.5
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