空中ブランコのあらすじ・作品解説
『空中ブランコ』は奥田英朗による連作短編小説集で、2003年から2004年にかけて「オール讀物」に掲載された5作品が収録されている。表題作は第131回直木賞受賞作品でもある。2005年に阿部寛主演でスペシャルドラマ化され、2011年には徳重聡主演で連続ドラマ化されたほか、舞台、アニメ、ラジオなど様々なメディアで展開されているシリーズ作品である。 この小説は破天荒な精神科医伊良部一郎と、彼の元に訪れる一風変わった患者たちとで繰り広げられるコミカルな物語を描いた作品で、シリーズものとして2冊目にあたる。飛び方を忘れてしまったサーカスの花形団員、箸さえ持てない先端恐怖症のヤクザ、義父のカツラを取りたくて仕方がない強迫神経症の医者など様々な悩みを抱えた患者たちが伊良部の治療受けに病院へと足を運ぶ。精神科医であり病院の副院長でありながら滅茶苦茶な言動を繰り返す伊良部に患者たちは辟易としながらも不思議と彼の元に通い、奇想天外な治療を受け続ける。
空中ブランコの評価
空中ブランコの感想
精神科医・伊良部から教えられること
本が好きじゃない人でも楽しめる「空中ブランコ」は、131回直木賞受賞作品。精神科医の伊良部の患者を軸に、五つのお話が掲載されています。小説が苦手、どうも自分には合わないと思っている方に、ぜひ読んでもらいたい作品。まるで、漫画かドラマでも見ているように、物語が進んでいきます。小説というと、心の葛藤や苦悩といった事が多い中、こちらの空中ブランコは、コメディタッチ。精神科医という、重いテーマを描きながら心の病を笑いで飛ばすお話は、爽快感抜群の物語となっています。伊良部の発言によって、今まで、悩んでいた事が、バカバカしく思えるかも知れませんね。日頃、本を読まない、文章を読むのが苦手と感じている方も、この本を読んで笑ってみて下さい。精神科医の伊良部のキャラクターが逸品精神科医というと、人の心を治す医者ですから、大人で人格者というイメージを持たれている人が多いのではないでしょうか?そんな、凝り固まった...この感想を読む
安心して読めるシリーズ物。
精神科医伊良部一郎シリーズ第2弾。伊良部先生は今回も期待を裏切らず、相変わらず笑わかせてくれました。今回も変わった患者さんたちが登場。飛べなくなった空中ブランコ乗り、先端恐怖症のヤクザ、ボールが投げれないプロ野球選手…など。みんな、デブで注射フェチの笑うと歯茎の伊良部先生に度肝を抜かれるけど、「ま、いっか」と再診に訪れます。この段階で患者はすーんと肩の力が抜けるんだろうな。いはゆるショック療法?そして、散々振り回されたあげく、「あれ?何か気持ちが軽くなってる。ここに通院してよかった?」というパターンはもう鉄板!安心して読めるシリーズ物です。
キャラが最高におもしろい
精神科医伊良部のもとに訪れるたくさんの患者たち。例えば、飛べないサーカスのブランコ乗りや、先端恐怖症のヤクザ、ボールを投げることができない野球選手。など変わった患者が繰り広げる心の問題をおかしく笑いにしています。義父のヅラは思わず声を出して笑ってしまいました。それが一番好きでしたね。話の内容ももちろんいいのですが、伊良部のキャラがたっているからこそ、ここまで面白いのだと思います。変わった医者が繰り広げる変わった物語。やりすぎがたまらなく面白い作品です。疲れた時に読むと元気を貰えます。前作イン・ザ・プールを読まず、こちらから読んでも問題ありませんでした。