孤宿の人のあらすじ・作品解説
「孤宿の人」は宮部みゆき作の長編時代小説である。 2005年新人物往来社から上下巻で単行本として、2008年にはノベルスとして同社から発行された。また2009年には新潮社から上下巻の文庫としても発行されている。2010年の年間文庫売上ランキングでは上巻が206,560部で第49位である。 舞台は丸海藩という架空の藩である。孤児で阿呆のほうと馬鹿にされながらも奉公先で懸命に働く少女「ほう」。一方、罪人として丸海藩預かりとなった元勘定奉行・加賀殿は鬼・悪霊と呼ばれ恐れられていた。人との接触を禁じられ幽閉されている山中の屋敷に「ほう」は下女として働きはじめ加賀殿と手習いの交流ができ、「ほう」は加賀殿を慕い、加賀殿は「ほう」に亡き娘の面影を見る。 「孤宿」は宮部みゆきの造語で「ひとりぼっち」の意味を込めているが、これは加賀殿と「ほう」それぞれを指している。 宮部は「悲しい話だが、悲しいだけではない作品にしたいと思って書いた」とも述べている。
孤宿の人の評価
孤宿の人の感想
ラストがまったく読めない。
「あほうのほう」から名付けられた純真無垢なほう。でも、きちんと世話もされず金毘羅参りの途中で捨てられてしまう。せっかく、お世話になった井上家でも、ほうを温かく見守ってくれていて琴江様が毒殺されてしまい、井上家にもいられなくなってしまう。こんな少女の物語を読み始めたら、それはもう止められない。こんな少女が「鬼」とも噂される流罪人の加賀様のお屋敷で働くとなったら何か起こるに違いない、とドキドキしながら読みすすめた。ただ、面白くて先がまったく読めなくて気になるんだけど登場人物は多く、どんどん人が死んでいくしどの人の語りを中心と捉えたらいいのかどれが重要な伏線になるのかがわからないまま上巻を読み終えた。下巻を読み終えてスッキリすることを期待して星4.5です。