読了後の虚無感
奇妙な事件からの幕開けこの作品は、普通の日常生活の中に突如起こった、奇妙なバスジャック事件から物語が始まった。しかもバスジャックを起こしたのはひ弱そうな老人。そして解決までに要した時間はたったの3時間。今作で3度目の事件遭遇でか、場慣れしている主人公杉村三郎は、今までの経験を活かし速やかに事件収束への道を模索するが、事件は犯人死亡という最悪の結果に終わってしまった。これ以前の杉村三郎シリーズ作品も読ませて頂いたが、主人公が急に頼もしい存在として描かれていると感じた。また、園田女史の意外な一面、その一面にすぐ気が付き気遣う面識のないはずの犯人。そして犯人が人質たちに申し出た「慰謝料支払」の信憑性。序盤としては怒涛の展開と沢山の疑問と期待をもたせて物語は進行した。明らかに前2作品との雰囲気の違いを感じざるをえない幕開けであった。犯人と事件の真の目的を探るバスジャックの犯人は死亡したはずなの...この感想を読む
4.04.0
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