おまえさんのあらすじ・作品解説
「おまえさん」は宮部みゆきの長編時代ミステリーである。 2006年より「小説現代」で連載され、2011年講談社より単行本と文庫本それぞれ上下巻が同時発売された。発売時の文庫本上巻の帯のコピーは「幸せになれるとおもった」同じく文庫下巻の帯のコピーは「救えるはずだとおもった」である。 「ぼんくら」「日暮し」に続き同心・井筒平四郎とその甥で美少年・弓之助の二人が謎を解いていくシリーズ第3弾である。 橋のたもとで人が切り殺された事件とかゆみ止めの膏薬で有名な生薬屋・瓶屋の主人が寝所で切り殺された事件をめぐり20年前の新薬をめぐる出来事が関係しているのではという疑いが浮かぶ。しかし夜鷹の女が切り殺されたことで謎が深まっていく。 お徳、政五郎、おでこなどお馴染みの面々に見習い同心・間島信之輔や弓之助の兄・淳三郎が加わり、弓之助の恐ろしいほどの頭脳は下手人とその協力者を見通していく。 オリコン2011年文庫総合ランキングで、上巻は売上約29万5千部で15位、下巻は約27万4千部で18位である。
おまえさんの評価
おまえさんの感想
とにかく読み始めたら止まらない。
「日暮らし」や「ぼんくら」ですっかりはまってしまった宮部みゆきさんの時代物小説。ちょっと長いから、時間のあるときに読もうと決めていたこの本作を、やっと読み始めました。もう、読み始めたところから、「あぁ、お徳さん」と懐かしい気持ちがじんわり。生きる時代は違うけれど、すっかり登場人物と馴染みになったような気持ちになって、するすると読めました。今回も、一見つながりのない人たちが斬り殺されるという事件を弓之介が解いていくのですが、本当にその頭の回転の良さに驚かされます。無理がないので、すっと中身が頭に入ります。それにしても、この上巻の最後で弓之助の推理が披露されるのですがそうなると下巻は何が書かれているのか?気になって仕方がありません。