ソロモンの偽証 第I部 事件のあらすじ・作品解説
ソロモンの偽証 第I部 事件は、2002年(平成14年)10月号から2006年(平成18年)9月号まで小説新潮によって連載され、2012年8月に刊行された宮部みゆきによる長編推理小説である。累計発行部数310部を記録した。 「週刊文春ミステリーベスト10」及び「このミステリーがすごい!」にて第2位にランクインするなど高い評価を受ける。 この作品は、東京都のとある中学校で発生した同級生の転落死の謎を、生徒のみによる校内裁判しようとする中学生を描く。 2015年には、この作品を原作として監督 成島出、主演 藤野涼子で映画化され前編・後編の二部作に分かれての公開となり、公開初週土日2日間にて動員9万1850人興収1億2012万8100円を記録し、全国映画動員ランキング初登場第3位にランクインするなど大ヒットとなった。 また、公開に先駆けて行われた前編の試写会のアンケートでは98.4パーセントの観客が後編も観たいと回答した。
ソロモンの偽証 第I部 事件の評価
ソロモンの偽証 第I部 事件の感想
なぜこんなに続きが気になる作品に仕上がっているのか
現代ミステリーの最高峰!?中学生に次々とふりかかる事件。小説を買う時は裏表紙のあらすじを見て買うという人は少なくないだろう。私もその一人だ。あらすじを読めばこの作品が「中学生の死」を題材としたミステリー小説だということが分かる。ミステリーとはいわば謎解きだ。そこで私は死んだ中学生は他者によって殺害され、犯人を暴いていくものだと仮定して読み出した。しかし読み進めていけばいくほど、死んだ中学生柏木卓也は、自殺だったと判明していく。警察では自殺として不審な点はないとされ、父親は事件前の息子の様子を抜け殻のようだったと語り、自殺を予期していたと言う。柏木卓也が不登校になる直前に争った三人組、大出、橋田、井口の事件後の様子からも、彼らが柏木を殺したとは考えづらい。ということは、このミステリー小説は事件の犯人を明らかにしていくという単純なものではない。柏木の死の裏にはどんな秘密が隠されているのか。...この感想を読む
さすがの宮部みゆき
永遠の閉鎖社会。宮部みゆき先生。言わずと知れた現代の大物作家です。宮部先生の作品はほぼくまなく読んでいますが、ここ何年かは時代物を多く書かれていて、時代ものはあまり好きではないのでしばらく離れていましたが、久々の現代ものでの模倣犯以来の大作、このソロモンの偽証はもう待ちに待ったという感じでした。しかも題材が”学校”です。この永遠の閉鎖社会をどう描くのか?非常に興味津々でした。しかも、どうも’いじめ’絡み・・・?とも言える内容で、どうやってこの難しい題材を調理して書かれたのか?非常に楽しみでもありました。この何十年も、特にネットが普及し、ソーシャルネットワークが若者の生活の中心となり、その中でのイジメを苦に自殺する少年少女が後を絶ちませんし、学校側がイジメが存在していた、それが原因であったと認めたケースはほぼ稀です。警察は自殺はそれ以上の捜査はしませんし、学校側も事を大きくしたくない。残...この感想を読む
一気読み
大きな本だったので 時間がかかるかと思ってましたが、読んでみると時間を忘れて一気に読んでしまいました。学校での事件が引き起こしたさまざまな人間関係。登場する人物が事件に関わっているのかもしれないと憶測で読んでしまいました。宮部さんの本は一気に読んでしまうものとそうでないものと分かれてしまいますが、この本は一気に読めてしまうほうでした。読み応えがすごくあって、本の内容にもすごく満足しました。3部作すべてを同時に買ったので、存分に読むことができました。ただ 本の重さをすごく感じて、持ち運ぶにはなかなか難しいものがありました。家の中でしか読めないなと痛感しました。