文学、社会問題、旅情、三角関係、切なさ、友情、家庭の温かさ、すべてがつまっている
文学好きや絵画好きを引き込む魅力的なキーアイテム太宰治氏のファンというのは、彼の作品が発表されて以降、時代が変わってもどの世代にも一定数いるようであり、かなり根強い人気がある作家だと言ってもいい。そんな太宰治氏は津軽の出身である。津軽殺人事件とうミステリーだから、当然津軽がらみの殺人事件が起きるわけだが、太宰が自ら描いた肖像画を東京に買い付けに来た、古書店の店主が殺され、しかも店主が残した手帳には、太宰の詩の一節が、という文学好きや絵画好きの興味をくすぐる事件となっている。(こういう言い方は、架空の事件とは言え、殺人事件に対し不謹慎かもしれないが)肖像画の存在については内田氏によるフィクションのようだが、太宰治氏が好きな人ほど、絵が存在するのでは?と思ってしまうのではないだろうか。実は、太宰氏は、学生時代頻繁にいたずら書きをする人だったようで、落書きの多くが今でも残されている。しかも、...この感想を読む
5.05.0
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