内田作品史上最も斜め上を行くトリックの作品
印象深い作品だが実写化・漫画化不能。その訳は・・・浅見光彦ファンの間でも、もしシリーズ内でトップ3を挙げろと言ったらこの作品を挙げる人も多かろうと思う。しかし、この作品は今までドラマ化されてないし、おそらく今後も実写化どころか漫画化も不能であるという奇天烈な作品である。理由として、活字という紙媒体そのものをトリックにしているからとしか言いようがない。内田氏は自分を小説の中に登場させることで浅見光彦が現実にいるかのように錯覚させるといった、読み手がどう捉えるかという心理を巧みに使った表現が多い。この作品も、活字を読む人間、もっと言うと浅見光彦シリーズの読み手の心理を前提としている。珍しく序盤に、浅見シリーズを三作以上読んでからお読みくださいと注釈がされているのもそのためだ。もっと言うと、内田氏が懸念しているあとがきから読む人の存在を考えると、あとがきやこの作品に関連がある白鳥殺人事件、鳥...この感想を読む
5.05.0
PICKUP