藤田編集長の依頼に引き込まれる、興味深い小説
菊池一族の歴史と導入に、ミステリーであることを忘れてしまう菊池伝説殺人事件は、殺人事件というタイトル通りミステリーで、導入で早速殺人が起きる。しかし、画面が変わり、藤田編集長が浅見光彦に例のごとく仕事の依頼をするというノホホンとしたシーンに切り替わるのだが、その藤田の依頼が、歴史好きなら冒頭の殺人事件など忘れてしまうほど興味深い。突拍子もないとでも言おうか。菊池寛と清少納言と西郷隆盛が親戚らしい・・・という、藤田曰く、事実らしいよ?調べてきてくれという依頼。浅見はくだらないと一蹴するが、結局は調査に出かける。私もこの藤田編集長の発言については、まず恥ずかしながら菊池一族についての歴史的知識が全くなかったことや、清少納言と西郷隆盛と菊池寛が、生まれた時代(特に清少納言と残りの男性二人)に隔たりがあるので、何を根拠にこんなことを言うのだと信じがたかった。しかし第一章を読み進めていくと、それ...この感想を読む
4.64.6
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