オリンピックの身代金の評価
オリンピックの身代金の感想
リアリティにあふれた緻密な描写が魅力の長編小説
今までの奥田英朗と少し違ったイメージ今まで私が読んだ奥田英朗の小説といえば、「イン・ザ・プール」とか「ウランバーナの森」とか「ララピポ」とかだったので、このようにあらゆる描写が緻密に描き込まれた文体がちょっとイメージと違った印象だった。あえて言うと、こういうのも書くんだという感じだったと思う。裏切られたとかそういうわけでなく、同じ作家に違う印象の小説を出されるとちょっと嬉しくなってしまう時がある。この小説もそういう感じを持ちながら読み始めた。元々この小説の時代設定である1964年(昭和39年)を含む1960年代~1970年代はとても魅力のある年だ。高度経済成長の時期だからかすべてに活気があるように感じられる。若者だって、デモとか学生運動とかヒッピーとかあらゆる面において勢いがあり、この時代背景の小説を読むとそこに生きる人々を羨ましく思ったりする。東海道新幹線が開通して、武道館ができて、...この感想を読む
オリンピックの身代金の登場キャラクター
村田留吉
よみがな:むらた とめきち ニックネーム:特になし 年齢(作品時):55才 性別:男性 国籍:日本 住まい:東京都台東区上野 性格:秋田空襲で妻子を失い、スリで刑務所を出入りしてはいるが、情もあり根っからの悪人ではない 特徴:ツイードのハンチング帽をかぶっている 特技:スリ 物語上での目的:主人公・島崎国男...
島崎国男
よみがな:しまざき くにお 年齢(作品時):1940年生まれ 性別:男性 国籍:日本 所属:東京大学大学院 性格:真面目 特徴:優男・色白・知的・物静か 価値観:経済格差に対する強い怒り 物語上での目的:東京オリンピックを阻止すべくテロを画策 トラウマ:異父兄の死はオリンピック開催準備のための建設ラッシュのせ...