浅見の個性を再確認できる作品
薔薇の殺人というタイトルは、西村京太郎氏の作品にもあり。内田氏の薔薇の殺人を読んだのが、ちょうど西村京太郎氏の薔薇の殺人を読んだ直後だったので、同じタイトルで驚いた。内田氏は、作中にタカラジェンヌを扱っていること、宝塚の演目であるベルサイユのばらが由来のようだが、西村氏の方は被害者の花の好みからきているようだ。偶然一致した時には特に何も考えず、薔薇=男装の麗人オスカルの象徴というイメージから、何となく同性愛や女同士のいざこざが薔薇に象徴されるからだろうと簡単に考えていた。しかし、実際には薔薇は男性の同性愛、百合が女性の同性愛を示す言葉と知り、同性愛や男装の麗人は無関係で、ベルサイユのばらや作中の設定だったり、抽象的ではあるが美しい薔薇にある棘から、女性の怖さを両氏とも表現したかったのかもしれない。ミステリーの巨匠としてはライバル同士の内田氏と西村氏が、同じタイトルで全く趣向は違うが女性...この感想を読む
4.04.0
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