少し切ないような、感情をかき乱される作品
いい意味でイメージを裏切られた作品この本を読むまでバーニーズが何だか知らなかった。ニューヨークあたりの小洒落た店くらいに思っていた(ちょうど「ティファニーで朝食を」のような感じ)。そして調べてみたらやはり日本にある高級“キレイ系ブランド”だったことに、“やっぱり”と若干がっかりした。しかしタイトルはそうであったけれど内容は少しイメージと違った。私がこのような思い込みの強い誤解をしてしまった理由は少しある。最近吉田修一の作品を多く読む機会があり(気に入ったら同じ作家ばかりいってしまう癖も手伝い)、そしてその多くにがっかりさせられていたからだ。表装だけでなく内容さえもスタイリッシュで都会的な展開に、どうしても嫌悪感が先にたってしまうこともあった。もちろん彼の作品すべてがそうではない(だからこそ、これを読んでいる訳だし)。同じ短編集である「空の冒険」は屋上でタバコを吸うような自由感にあふれ深...この感想を読む
3.53.5
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