雨はコーラがのめないの評価
雨はコーラがのめないの感想
犬と音楽の話
江國香織のエッセイ。雨という名前のアメリカンコッカースパニエルを飼っている。作品としてはすごく面白い。普通に本として読んでもいいし、出てくる曲をいちいち調べて聞いてみるというのも面白い読み方だと思う。フィクションや脚色などではなく、実際にやっているのなら、犬にいろいろ押し付けすぎだと思った。犬が音楽好きだとはとうてい思えない。トーストと卵を食べさせるなんて、もってのほかだと思った。犬は信頼している人に差し出されて、それがおいしそうなものなら必ず食べる。ドッグフードなど、犬の健康によいものだけを選んで食べることはできないのだから、飼い主がちゃんと選んで食べさせてあげるべきだと思う。犬はおもちゃじゃない。
飼い主と、かわいい犬と、音楽と
飼い主である著者が、かわいがっているオスのアメリカン・コッカスパニエルの「雨」と、生活の中で流れている音楽のお話が主軸です。というか、それだけのエッセイ、です。話の中で、雨には、2歳から6歳という4年間の歳月が流れます。かわいい中にも、雨なりの成長が垣間見えるのが楽しいです。それに、穏やかな文章で、読みやすいです。著者である「私」と、「雨」は、良く似ているけれど、音楽の好みが違う。けれど、一緒に音楽を楽しみます。そういう日々。ただ、洋楽に全く疎い私には、音楽についての文章の部分は、良くわからなかったですが。きっとその場面に合う素敵な音楽なのでしょう。唯一、尾崎紀世彦の話だけはわかったので、とても嬉しかったです。