落花流水の評価
落花流水の感想
恋多きおんな一代記!
主人公・手毬がたどる数奇な運命を、10年きざみの部立てでえがいたクロニクル風長編小説。次の部に入ると主人公は10歳としをとり、立場や家族構成も変わっている、というとても特徴的な書かれ方をした作品。この主人公がとにかくタフで、読んでいてあっけにとられることがある。タイトルの「落花流水」は水に落ちた花が水の流れに任せて流れゆく…という漢詩がもととなった言葉だが、あれ〜と流されるというよりはイケどんな女性が考えなしに突っ走った結果、と、身も蓋もなくいえば、そんな感想になってしまいそうな、お話。物語終盤では主人公も老年期を迎え、話がどっとシビアな様相を見せる。…でも最後まで「やっぱこの人すごいわ!」と思わせられてしまいます。一気に読ませられる、山本文緒の文体の力ってすごいな〜とも思いました。