母の一念
復讐はいけないことです。それは少なくてもこの日本では常識でしょう。 それが道徳的な思考というものでしょう。 たとえ家族を殺された遺族であっても、犯人の死刑を望むと口に してしまえば、それは当然、無理もないことと同意をする人々ばかりでは なく、殺人を否定しながら死刑という殺人を望むのか、などど非難をする 人々も存在します。反対に、犯人の生涯を通しての真摯な反省の態度と 更正を望むとコメントをすると、美談のようにその心の広さを称えられる 場合もあります。 これは子を失った母が繰り広げる復讐の物語。その計画は緻密で ぬかりがありません。 本当は喜んではいけないのであろう復讐の成功ですが、私も子を持つ母。 ラストで「してやったり」そんな嬉しさを感じました。 一つ残念なのは登場人物の生徒やその母親達が、極端に歪んでいると 感じる点でした。多少、リアリティーに欠けてしまったと思います。 しかし伏線が見事で久しぶりに爽快感すら感じた物語でした。
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