美人三姉妹の悲劇
イヤミスの新旗手登場本作は、小説家斉木香津のデビュー二作目にして代表作となった衝撃的な作品です。筆者のデビューはそこまで華々しいものではなく、デビュー作『千の花になって(文庫改題:踏んでもいい女)』は鳴かず飛ばず。本作『凍花』はたまたまラジオでSMAPの中居正広に紹介されたことで爆発的なヒットをしました。デビュー作の文庫化は本作を追いかける形で刊行されたということからしても、当時はそこまで期待されていたとも言い難い新人作家のひとりでした。そんな斉木香津を一躍「イヤミス」作家として有名にしたのが本作です。家族間の殺人意外と知られていないことですが、現代日本において家族間殺人の割合は非常に多いのです。殺人事件自体は1950年代から減少を続けており、2009年以降は検挙数が1000件を下回るようになりました。しかし、親子、兄弟、夫婦などの家族間殺人の割合は年々増え続けており、2013年には実に5割を超える殺人が家...この感想を読む
4.04.0
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