まるで身を削って書かれたかのようなエッセイ
激しく壮絶な文章で横殴りにされるかのような始まり方これはエッセイの形をとって、中島らもの印刷会社でのサラリーマン時代や広告代理店時代やがメインに書かれている。そこに書かれている状況は「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」や「アマニタ・パンセリナ」にもよく出ている。「アマニタ・パンセリナ」に出てきていたスプーンで手首を切ろうとしていた睡眠薬中毒のSくんは、この「頭の中がカユいんだ」が始まってすぐに登場する鈴木くんに違いない。彼はあれほどのひどい中毒者だったのに、パリやスペインに放浪しにいっている。生きるパワーがすごい人だと思う。そういった“ああ、この人も前でていたな”とか“この場面覚えてる”とか色々楽しめる本ではあるのだけど、それ以上に、この本の文章は強烈すぎる。何か原稿用紙に叩きつけて書いたような、それこそ違う世界から血を使って書かれたような、そのような壮絶さが所々に感じられる。確実に薬(...この感想を読む
4.04.0
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