近代の幕開けをジョジョワールドで描かれた作品 - スティール・ボール・ランの感想

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スティール・ボール・ラン

4.834.83
画力
4.92
ストーリー
4.58
キャラクター
4.92
設定
4.75
演出
4.92
感想数
6
読んだ人
10

近代の幕開けをジョジョワールドで描かれた作品

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

目次

時代描写にズキューン!

ジョジョシリーズとして、リアルな世界との接点が多い作品となっていたのではないでしょうか?アメリカ横断レースと題してアメリカという経済大国誕生の謎にせまった様子が生き生きと描かれています。特に馬を使った大陸横断という画期的なアイデアで、それまでスタンドというお供?に頼っていた部分を新たな要素として、馬との接し方も丁寧に描かれていて、よほど取材されているのだなと感心しました。ジャイロが馬が走りつかれたときは、ドロドロな甘いコーヒーを飲ませてあげるだとか、馬は蹄跡だけで現代の鑑識なみにすれば、どんな人が騎乗しているのかわかるだとか、馬も普通に乗りすぎるとつぶれてしまうなど、人間だけではなく、馬という生物に対しての生態描写がよかったです。また、それが理解しやすい時代としての設定なのだと思いました。

さりげなくそばに立っているスタンド!

これまでのジョジョシリーズでは、第3部から登場し、6部まで、スタンドありきの作品だったと感じます。
というのも、便利で少年があこがれ、誰でも自分に合ったスタンドとは何なのかを一度は思い描いたことがあるのではないでしょうか?
そして、少年漫画のお決り的な必殺技を叫ぶをやっちゃった方も多いのではないでしょうか?中2でそれなら中2病ではないと個人的に思ってます。
少し、脱線してしまいましたが、とにかくスタープラチナやシルバーチャリオッツ、ザワールドから始まり、ストーンフリーやキッス、ホワイトスネイクまで
スタンドにもキャラが立っている?ところがあり、本体とは別で好き嫌いがあったのではないでしょうか?
恐らく荒木先生はそんな固定観念をぶっ壊したくなり、あくまでも本体の個性の延長として、戦いの道具として使いやすい、
シンプルな形に仕上げられていたのではないしょうか?連載当時、ワイヤードからキャッチザレインボー位までで、
すごく原始的な能力だなぁと思っていました。逆にそこがレースの邪魔せず、敵キャラに感情移入せず、レース完走までこぎつけられたのではないでしょうか?
私見では、敵キャラが立ちすぎるとダラダラする。(仲間にしたり、するとエピソードとか面倒くさい。そしてあまり意味はない。)

名台詞が心に残りすぎですぅぅぅ!

黄金の長方形、僕はこの言葉だけで、単行本全巻買った価値があったと思っています。
というのも、ジャイロがジョニィに対し、旅の中で鉄球の極意の部分をレッスンとして伝承していくシーンがすごく成長の瞬間を描いているなぁと感じました。
人間は一言キーワードを得ただけで、今までの価値観がぶっ飛び、180度考えかたが変わる場合があります。特に漫画というのは、絵のカッコよさと言葉のカッコよさで心に入ってきやすく、その際に己の人生経験と混ざり合い、それまで気づかなかったようなことに気づけることもあります。
僕にとっての黄金の長方形とは、ずばり万物の長所である。です。ジャイロはジョニィに自然の中にある長方形を見つけそれを見て鉄球を回転させていると言っていました。
つまり、無限のパワーを生み出す(アイデアやとにかくよいこと。)きっかけは、この世にある長方形(長所)を見つけ、その成り立ちを活かせといっている様に見えました。(もう、聞こえちゃいました。)
それまで、見る価値の無いと切って捨ててきた部分、わざと見過ごしてきた暗いものや汚いものなどだけでなく、そこらへんに無数に存在する普通のものまでも、何かしらの長所を持って存在しているのだとしたら、自分の目に映るものすべては自分の何かしらを成長させる反面教師であるとも言えるのだなぁと考えるようになりました。これは僕の人としての成長の物語です。

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承太郎、徐倫の犠牲も本作で報われている?

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