お菓子みたいだけど、ぴりりと苦い後味の映画。
マリー・アントワネットの少女期からギロチンへ至る人生を綴った華麗なクロニクル。 キルスティン・ダンストがお茶目なアントワネットを好演しています。 監督の持ち味である美しい映像と、衣裳・小道具にこだわり、音楽にも現代のセンスを取り入れるなど、物議を醸した映画でありますが、細かい演出を見ていくと、なかなかきちんとアントワネットの人となりを描けていたな、と思います。 おねだりして手に入れた洋館でフェルゼンと密会してみたり、手づかみでお菓子をほおばっていたりもしますが、子供の養育について義母とガチンコ勝負をくりひろげたり、子供を幼くして亡くし、憔悴する姿もきちんと描かれています。 ラストシーン、民衆に向かって頭を垂れる姿は、とても印象的でした。 「パンがなければ…」の言葉ばかりが一人歩きしている感がありますが、当時の宮廷を生き抜き、過酷な運命を全うした女性の話として、価値あるものだと思います。 ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンもなかなかの怪演です。
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