8人の女たちのあらすじ・作品解説
8人の女たちは、フランソワ・オゾン監督によるフランス映画。原案はロベール・トマの推理劇「8人の女」。 クリスマスを祝うために、フランスのある邸宅に家族が集まってきたが、そんな中邸宅の主がナイフで背中を刺された姿で発見される。 一体誰が主を殺したのか。邸宅は雪深い中に電話線や車の配線が切られたり、と外部と断絶され、容疑者と考えられるのは集まった家族と家政婦やメイドの合わせて8人の女性たちとなる。孤立した邸宅内で、誰が犯人なのか互いに探り合い、強慾や不貞などそれぞれの事情や秘密が暴かれていく中で、真実が徐々に現れてくる。 若手から往年のベテランまで豪華な女優陣をメインに、英国屋敷をイメージした屋内セットで、歌やダンスを織り交ぜながら華麗に展開されるミステリー作品である。 前述の通り、物語はほぼこの邸宅のみで進行し、登場人物もほぼこの8人の女性たちのみである。例外である主の男性も顔は映らないまま終わる。
8人の女たちの評価
8人の女たちの感想
お洒落なミステリー映画。
舞台は1950年代のフランス。大邸宅の主人が、何者かに殺される。その時家にいたのは、クリスマスを過ごそうと集まった家族・メイド、総勢8人の女たち。犯人を探そうと、お互いを探り始める8人だが・・・非常にフランス映画らしい作品です。8人の女性がそれぞれ個性的で、ファッションやセットも可愛いので観ていて楽しい。唐突にミュージカルやダンスが始まったり、急にラブシーンになったりと、フランス映画らしい急展開で物語が進んで行きます。犯人を探す、というのがメインでお話が進みますが、ミステリー要素はあまりありません。登場人物の人間関係がかなりドロドロしているのですが、あまり気にせず楽しめる作品です。
フランスのおしゃれさとビターな内容が絶妙
まず目をひくのが、オープニングのキャストロール。普通は人間を撮すけど、ここでは各女優のイメージに合った花をバックにキャストロールが展開されます。花は劇中で登場人物の着ていた服の色がモチーフとなっています。内容は家の主人が殺されて犯人探しをしていくうちに、主人が生前隠していた真実が物語と一緒に見つかっていきます。愛人と本妻の喧嘩など本当は笑えないけどどこかユーモラスで明るい内容に引き込まれていきます。登場人物の中でも一番好きなのは、末っ子役のリュディヴィーヌ・サニエがとてもはつらつとした少女を演じていたのが印象的でした。ともすれば暗くなりそうな内容の映画ですが、彼女の存在が映画に良い変化を与えていました。日本でも舞台でリメイクされたこの作品は、世の全ての女性に見てほしい作品です。
豪華キャストでヴィジュアルアートを楽しむための映画
脚本自体は歴史のあるものなのですが、基本的に、舞台で繰り広げられるこういう探偵モノのような話が個人的に苦手なんですよね。フランソワ・オゾンの作品ということで楽しみにしていたのですが、たしかに劇場を映画に仕立てたような、コンパクトでとてもキッチュな感じの雰囲気が楽しめると思います。なにせ、カトリーヌ・ドヌーヴとエマニュエル・ベアールの共演なので、画面に出てくるゴージャスさったらハンバない、という感じの作品です。と、同時に、これだけのキャストなのに、こうなっちゃうのか・・・という残念さもあります。しかし、私がいちばんいいと思った役者は、カトリーヌ役のリュディヴィーヌ・サニエですね。演じる力や魅せる力で言えば、私の中ではエマニュエール・ベアールの一人勝ちなところがあると思うのですが、カトリーヌは役がおいしい。そして、コスチューム大賞を差し上げたいと思うほどかわいい。布ですべて覆っているにもか...この感想を読む