どこへ行こうと同じこと。わかっただけで、もうけもんさ。
きよ葉
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『さくらん』は、講談社出版の雑誌『イブニング』にて連載された安野モヨコによる漫画を映画化した作品である。 8歳で江戸、吉原遊郭の玉菊屋に売られてきた少女、源氏名はきよ葉。初めのうち、きよ葉は遊郭という場所、また、そこに生きる女たちに対して強い嫌悪を感じ、幾度となく足抜け(脱走)を試みる。しかし、結果はいつも失敗。そんな日々を繰り返すうち、禿として付いていた姉女郎である花魁、粧ひに導かれ、自身も花魁を目指すことを決意する。成長したきよ葉は、持ち前の美貌と気の強さで客を魅了し、瞬く間に売れっ子となる。そんな折、客として玉菊屋に訪れた商家の惣領息子、惣次郎に恋をするが……。 「てめぇの人生、てめぇで咲かす」というキャッチコピーが示す通り、華やかな、しかし過酷な吉原で強く生きる女たちの生き様を鮮烈に描く。主演を土屋アンナ、監督を蜷川実花が務めた、誰にも媚びず、粋と張りを持ち、自身の信じた道をひたすら突き進む遊女の物語。
蜷川実花ワールド炸裂の映像の世界でした。吉原遊郭という人間のの欲望情念が渦巻く郭の中の小さな世界を、様々な色を使って幻想的な世界に仕上げていました。ただちょっと残念だったのは、背景はとても綺麗なのですが、人間が背景に負けてしまっている感があったことです。俳優さんたちに問題があったというわけではなく、何となく映像と人間がアンバランスだったような気がするだけです。背景や小道具に凝っている割には、人間の映し方が地味というか・・・。ただ清次役の安藤政信はその地味さが逆によかったです。あと女将役の夏木マリさんがとてもよかったです、怖いけど人のよさそうな感じで。
安野モヨコ原作の漫画を映像化した作品。色鮮やかな写真で有名な蜷川実花さんが監督しただけあって、とにかく映像が美しい!至るどころに散りばめられた色彩と、効果的に置かれた花や金魚が美しくも儚い遊郭の街を印象付けています。主演の土屋アンナさんは演技というよりは、自分の魅せ方を心得ている感じ。花魁にしては彼女の顔立ちは外国人すぎるのですが、それを圧倒的な存在感で上手にカバーしていました。演技の方は、菅野美穂さん、木村芳乃さんがしっかりと濃く演じていたので、そちらで充分楽しめました。ストーリーはあってないようなものですが、吉原炎上のようなどろどろした感じはあまりなく、さっぱりと見れたのが逆によかったと思います。
とにかく映像の美しさが目を引く作品です。吉原という粋と雅、そして欲望の世界を、色彩や小道具で華やかに、鮮やかに、どこか恐ろしげに映し出しています。その辺り、さすが写真家として一線で活躍する監督さんが手掛けただけのことはあると見入ってしまいます。子どものきよ葉が、『女』になる恐ろしさに逃げ出したくなる気持ちがなんだかわかるような、美しさと怖さを併せ持った映像です。また、随所に効果的に使われている金魚も素敵でした。美しい姿で人の目を楽しませるために存在し、生きる世界は囲われた鉢の中だけという遊女の象徴としては、うまい演出だと思います。一方で、ストーリー展開はいまいちでした。原作を知らないので、比較はできませんが、映画だけ見ていると、1つ1つのエピソードが細切れで、ラストまでつながる流れが感じられません。そのせいか、命がけの足抜けをしてまで連れ添いたいと2人がなぜ思ったのか、納得がいかない感...この感想を読む
性別:女性 国籍:日本 所属:玉菊屋 性格:気が強い ポリシー:仕事に異様なまでに誇りを持っている 特徴:美人で機転がきく 特技:床上手 物語上での目的:きよ葉を一人前にする 職業:女郎 番付:常に上位3位以内
性別:女性 国籍:日本 所属:玉菊屋 性格:気が強い 特徴:器量がいい 特技:話や歌 職業:おいらん 出身:北の地方 苦手:琴 禿の時の名前:とめき
きよ葉
主人公が間夫に逃げられ、吉原をでて追いかけたため、折檻を受けている時。
粧ひ
粧ひが身請けされるときに、とめきに長グシをゆずる。