最初は重いが、終わりは軽やかな話
「満タンになった」事で、仕事を止めてしまった主人公の百合は、外出もできなくなり、そんな自分を認めたくなく、払拭するため、瀬戸内海の島に建つ、新しいリゾートホテルに4泊5日の旅をします。 そこで、坂崎というバーデンダーと、マティアスという有閑ドイツ人青年と出会って…という話です。 まず、思ったのは、最初が重い話なので、精神的に病んでいる時には、読むのは止めた方が良いんじゃないかと。最後は軽やかになって行きますが、それまで、自ら(百合)の病んでいる所や、その姉の病んでいる所を何度も読まなければならないので、気持ちが落ち込んでしまう可能性があるからです。 三人が仲良くなり、いくつかの出来事を通して、百合の重かった気持ちが軽くなって行き、いつしか姉を認められるようになり、新しい一歩を踏み出すきっかけを得る事ができたのは、軽やかな終わり方で、とても良かったです。 その後のマティアスと坂崎の会話や、百合と姉の再会が気になるけれど、それを想像するのも楽しいので、いいと思います。
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