うつくしい人の評価
うつくしい人についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
うつくしい人の感想
うつくしい人ってどんな人?
西加奈子の得意路線西加奈子の小説には常に精神的問題を抱える人が登場する。自分自身に対するコンプレックスや、精神疾患とも思える痛い傷を背負っている場合もある。それを認めつつも、ダメな自分でもいいと思って生きていくというパターンと、ダメな自分を肯定も否定もできないまま、何一つ変わらない今を生きていく、というパターンに分けられると思う。勝手ながら、私は読み手に希望を与える前者の作風を白加奈子、闇のみを提示して敢えて希望に走らないパターンを黒加奈子と呼んでいる。 本作は白加奈子の代表的一作だ。主人公蒔田百合は上手く生きれない自分を棚に上げて、姉や旅先で出会う人たちを見下し続ける。しかし、色々な体験と出会いで周囲の人々が、立派ではなくても悪くはないことに気付き、その延長で少し自分も肯定できるようになる。主要な登場人物は全て問題を抱えており、一見ダメな人ばかりだ。それぞれのキャラを考察することで本...この感想を読む