こんなチンプな科白、吐きたくないけど、「寂しい」「恋人に側にいて欲しい」。まるでノドが乾くように恋人を求めているし、抱き合う人がいないのは砂漠の中央にいるような感覚。
磯貝みるめ
理解が深まる小説レビューサイト
小説レビュー数 3,368件
私にはわかりません。思わず嫉妬したくなるほど、とはどの程度のものなのでしょうか?私なりの解釈としては、簡潔的で後を引かず、すらすらと物語が躓くことなく流れていく技法が羨むを通り越して嫉妬へと生まれ変わるほどの才能なのかな、と思いました。私なりに噛み砕いて噛み砕いて真意に近づこうと努力しました。しかし、私がハッと息をのむほど夢中になり、骨組みにしっかりと肉がついている作品だと唸るほどではなかったため、ここまでの解釈が限界でした。映画化もされましたし、松山ケンイチに永作博美さんはナイスキャスティングだと思いますが、限界でした。私にはヤングアダルトのような柔らかさを持ったこの作品に、読み応えは一切感じませんでした。きっと淡々と物語が進み、物語が動き出すのかな、と思った矢先に終わってしまって、期待が大きかった分味気なく感じたのだと思います。私の過度の期待がいけなかったせいで、私はこの作品を深く...この感想を読む
センセーショナルな題名に怖じ気づき、読み始めるのが遅くなってしまいましたが、内容は、専門学生の男の子と、その学校の講師の女性との、歳の差恋愛でした。しかも不倫。本自体も薄く、文字も大きく、余白も多く、文章も簡潔。なので、すぐに読み終わってしまいます。簡単に言うと、専門学生が、旦那のいる年上の講師のおばちゃんと恋をして、ふられるまでの話を、学生の男の子の独白で、未練たらたらで綴っている…話です。ちょっと情けないです。映画は見ていませんが、永作さんと、松山ケンイチさんのイメージで読み始めたら、読み進めるうちに、ユリのイメージが永作さんではなくなってきて、普通の39歳の女性になってしまって、何だか現実だなあ、と思ってしまいました。でも、だからこそ、せつなく感じるのかもしれませんね。
題名や珍しい著書名にどきりとして購入したのですが、中身はとてもポップな青春小説です。一生懸命な僕と、年上のユリとの恋模様。ゆるゆるとした空間と会話の中で、幼女と狡猾な大人の女性をいったりきたりするユリと、少年と老人をいったりきたりする、まっすぐで穏やかな主人公のやりとりが、『若者らしさ』そのものを表しています。激しそうで、激しくない。適当そうでまっすぐ真剣。激しさと、愛情と、その結末(果てと醒め)が分かっている『セックス』という一連の流れに添ったような、小説の流れの中で、まだその熱の中にいたいと感じる、主人公の若さと純粋さと真摯さに、いつかの自分を思い出しました。「遊び=真剣」と、とらなくなったのはいつからなのでしょう。こどもの頃は、本当に真剣に遊んだのに。日が暮れても、トイレに行きたくても、お腹がすいても、母親が心配で探しにきてくれるまで。私達は、かつて、遊びということばを適当に使って...この感想を読む
磯貝みるめ
主人公・磯谷が恋人・ユリと別れた後、寂しく懐かしくなった時の独白。
磯貝みるめ
卒業間近の友人に向かっての主人公の言葉だが、自分自身に向けて言った言葉でもある。 会えなくても、好きな気持ちは持っていてもいい。恋愛に限らずそれば友人や家族でも同じことが言える。 また復活するかもしれないし、好きなままでいいし、また、新たな恋の始まりかもしれない、と、すごく前向きに捉えられた言葉です。 誰もが、会えない=別れ、終わり というイメージを覆す、自由で深い言葉。