ぼんくらのあらすじ・作品解説
「ぼんくら」は宮部みゆき作の長編時代ミステリー小説である。 小説現代で1996年3月号より18回の連載を経て2000年講談社から単行本として刊行された。 江戸の深川にある鉄瓶長屋で起こった殺人事件と差配人の失踪をきっかけに櫛の歯が抜けるように長屋から人が出ていく。住人が減ることに悩む新しい差配人の佐吉を励ます同心・井筒平四郎と甥で美少年の弓之助。佐吉や煮売り屋のお徳、岡っ引きの政五郎とおでこなど個性豊かな面々とのかかわりの中で鉄瓶長屋を空っぽにするために密かな企みが進行していることに気付いた平四郎と弓之助は長屋の持ち主である湊屋総右衛門を調べ始める。 2005年にABCラジオで12回のラジオドラマとして制作・放送された。また2014年10月からNHK木曜時代劇で10回の連続ドラマとして岸谷五朗主演で放送された。 井筒平四郎と弓之助を主人公とした続編が2004年に「日暮し」2011年に「おまえさん」がいずれも講談社から刊行されている。
ぼんくらの評価
ぼんくらの感想
時代物が苦手でもサラリと読める。
宮部みゆきさんの本は好きで読んでいたのですが時代物に苦手意識があって、評判がいいものの今まで読まずにいました。読み終わった今、ただ一言「もったいないことした!」。です。1話ずつの短編ですが、どれもサラリと読めます。多少の言葉遣いに戸惑いがあったものの2編・3編と読んでいくと慣れていって気にならなくなりました。それは、やはり登場人物の魅力だと思います。人情に厚い、お徳さんやこちらも同心としては、いささか怠けがちだけれどいざとなれば、きちんと行動してくれる頼れる平四郎。この2人を軸に長屋で起きる事件も人情込み込みで解決されていきます。とても楽しく後半が楽しみです。