100回泣くことのあらすじ・作品解説
「100回泣くこと」は「きらら」2005年6月号から11月号に掲載されたものに加筆・修正を加えて2005年10月に刊行された中村航による恋愛小説である。本作が刊行されてまもなくは若い女性が読者の大半を占めていたが、2008年に「うっかり新幹線で呼んで号泣しました」というゴスペラーズの北山陽一によるコメントが帯に掲載されたことをきっかけにビジネスマンにも多く読まれるようになり、2014年時点で85万部以上を売り上げたベストセラーとなっている。 本作は主人公である藤井とその恋人・佳美が織りなすラブストーリーである。結婚を控えた二人はいつまでも幸せが続くと信じていたが、佳美が大病を患ったことをきっかけに少しずつ思い描いていた未来が崩れ始めていく。 2013年には大倉忠義主演で映画化され、「泣ける映画」として高い評価を受ける。また小学館が刊行する「Cheese!」にて2013年に水谷愛によりコミカライズもされた。
100回泣くことの評価
100回泣くことの感想
ありがち
携帯小説かなんかだと思っていた。タイトル的にも内容的にも。あまりこういうかんじの、感動をごり押ししてくるような本はよまないんだけどあまりにも話題になっているので、なんかありがちな設定だなと思いながらも、読んだ。死の宣告をされた彼女とそれをとりまくひととの話。泣ける!という人も多いし、それだからこそ、映画化までされたんだろうけど人が死ぬ→感動 っていうインスタントな感動はもういいんじゃないかと思う。文章量的にはさくっとよめるので、学生の読書感想文とかにいいんじゃないかなと思う。文体も読みやすく、読書になれていないというひとにもおすすめ。
映画を見ようか迷う
普通だな。これがこの作品を読んだ最初の感想でした。映画の宣伝をよく見るので、なんだか気になって見に行ってみようかと悩みとりあえず原作を読んでみました。で、感想は上記の通り。「世界の中心で~~」のような内容だなと。死に直面した気持ちなど、綺麗に書いてあると思います。綺麗すぎる。私には綺麗すぎて受け入れられませんでした。だけど、どっぷり少女漫画が好きな人には勧められるかなと思います。帯に涙を誘うような文言が書いてあったんだけど、そんなに泣ける内容でもないです。ただ、彼女が癌になっちゃう話。こういう作品を読んで思うことは、こういうことは誰の身にも降りかかる可能性があって今健康だと思っていても、明日は分からないってこと。大事な人は大事にしなきゃなってこと。
人の死から今の大事さを感じる本。
彼と卵巣がんに冒されてしまった彼女、彼の飼い犬ブックの病気をキーとしてストーリーが進んでいきます。タイトルを見て、泣いちゃうかもと思ったけど正直に言うと泣かなかった。もちろんブックや彼女が死んだ事は悲しかった。もし彼女が話し手として話が進んでいて、彼女の心情が綴られていたら泣いていたかもしれない。でも、彼が話し手として話が進み、彼の彼女を支えようとする前向きな姿や彼女の死後の落ち込みようが中心として描かれることで読み手は彼女の事や病気のコトを冷静に考えることができるのだと思う。彼女が泣きわめいたりするシーンがないから私たちは、彼女の心情を想像し、胸を痛め、生死について考える。ただ、お涙ちょうだい、というだけの本ではないと思う。