運命への抵抗をいっさい諦めるならば、おまえに不変をあげるよ。
J-縄田正平
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人気作家がそれぞれの視点で描いたジョイント小説アンソロジーの短編集というのは、よくある。同じテーマを基に、あるいは、まったく関係のないテーマで、複数の作家がそれぞれの物語を紡いでゆく小説は、ありふれている。これはこれで面白いし、飽きがなくて読んでいて楽しい。だけど本作は、アンソロジーとは一線を画している。まったくの別物。たったひとりの男の半生を、人気作家がそれぞれの視点で描いたジョイント小説なのだ。この面白い企画に加わったメンバーは、嶽本野ばら、角田光代、唯野未歩子、井上荒野、江國香織。この錚々たるメンバーにして、面白くないわけがない!本作の最後に記載されている座談会で、作家たちが述べているように、この作品は、ひとりの男-Jについておおよそだけを設定し、その後は、バトンリレー形式で描かれている。嶽本野ばら→角田光代→唯野未歩子→井上荒野→江國香織の順で、前作者が決めた登場人物や設定、世界...この感想を読む
よみがな:じぇい-なわたしょうへい
J-縄田正平
18年前の夏、田端信子が初めて十字路でJ(神様)に会ったとき、Jが信子に言った言葉。 信子がJに堕ちていたすべての始まり。