その時までサヨナラのあらすじ・作品解説
その時までサヨナラは、2001年にリアル鬼ごっこでデビューを飾った後数々のホラー作品を世に送り出した山田悠介によって執筆された小説である。本作品は著者が初めて家族の絆をテーマに取り入れた恋愛小説で、文芸社より2008年4月に単行本が発売され、2012年2月には文庫本が発売されている。 家庭を顧みず仕事に打ち込む主人公森悟は、別居中の妻(亜紀)を列車事故で亡くしてしまう。後に遺され心に傷を負った幼い一人息子(裕太)は悟にとって仕事の邪魔としか思えない存在であったが、亡き妻亜紀の親友と名乗る謎の女性(宮前春子)の登場によって事態は思いがけない方向へ動き出し、冷え切った父と息子が親子の絆を取り戻していくというあらすじとなっている。 2010年にWOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクトによってドラマ化され、北村一樹や栗山千秋が出演している。ドラマメイキングの特典映像を収録したDVDがポニーキャニオンより発売されている。
その時までサヨナラの評価
その時までサヨナラの感想
感動の一言
山田悠介といえば『リアル鬼ごっこ』とかホラー?系が多いイメージがありますが、これは感動してリアルで泣いてしまいました。まず主人公は家庭をかえりみずに仕事一筋の男性。妻と子どもがいる三人家族。しかし、大地震で妻を亡くし子どもを1人で育てる事になります。そこへ現れたのが中年の女性。主人公の妻の知り合いだと名乗りお節介を焼きます。最初は嫌がった主人公ですが、徐々にその女性に好意を持ちます。しかしその女性が妻の知り合いではなく、赤の他人だと知った後…という物語です(笑)最後はそうきたか!!という結末ですが、絶対泣けます。今まで見てきた中で1番感動した作品です。そして、小ネタですがこの話予言してるんです。地震の話が出てきましたが、これが東日本大震災とよく似てるんです。これは驚きでした!現代の日本は共働きや片親で働いてる方が多いと思います。主人公は料理もしたことなければ、洗濯すらしたことない人でしたが...この感想を読む
新鮮♪
山田悠介さんの作品といったら、「こわい」「ぐろい」「かわいそう」といった感じがほとんどでした。でもこの作品わ、怖さのなかで感動を覚えました。他の作家さんの感動作わ、最初わいい感じだが、「どうせなにか起こるだろう。ほらきた。ほんで解決してハッピーエンドだろ?やっぱりね。」といった流れが普通で、それに私わ感動させられてしまいます。でも山田悠介さんわ、「初めからなにか怖い感じがする。え?なにかおこるの?起こらないの?」といった気持ちで読み進め、最後の最後まで気を抜いて読むことができないのです。この本わ…と、内容わ言えませんが、 ドキドキはらはら感動!やっぱこの人の他の本を読んできているからこそのドキドキでしょうね(笑)
作者のいつもの作品とは少々違います
他の山田悠介さんの作品とは違い、奇抜で残虐な設定にはなっていません。珍しく、ごく普通の日常生活の中で物語が進んでいきます。 この作者の作品では毎回、途中まではひたすら怖かったり気味が悪かったりしても、最終的にはどこかしらで感動できるような描写がありますが、この作品は違いました。むしろ、最初から直球で感動を追及しているのではないかと思いました。 また、文庫本の帯にも記載されていたのですが、この作品には大震災についての記述がありました。福島のほうで地震があったと書かれているのです。この作品が発表されたのは、なんと2008年なのです。今だから言えることですが、なにか地震を予言していたのではないかと、思ってしまいました。