やわらかなレタスのあらすじ/作品解説

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やわらかなレタス

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文章力
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設定
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やわらかなレタスのあらすじ・作品解説

やわらかなレタスは、2011年2月の文藝春秋に掲載された江國香織原作のエッセイ集である。2013年に文春文庫にて文庫化された。江國滋を父に持つ著者は『草之丞の話』にて童話作家としてデビューし、『きらきらひかる』『神様のボート』などで小説家としても人気を得る。2004年に『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞ほか、詩作や海外の絵本の翻訳など作品は多岐にわたる。 彼女はチョコレートと雨が大好きである。子どもの頃は雨が降ると母や妹と眺めていた。彼女は自分の一部、雨と音楽との生活を綴ったエッセイ『雨はコーラが飲めない』を執筆している。この作品もあらゆることを食べるのが大好きな著者が、おいしいことについて綴っている。ピーターラビットの物語から、海外で味わった料理、寒い場所で飲む温かいジュースに思いを巡らせ、畑のレタスにバローズの作品を語るなど、江國香織が味わった食べもの、言葉、感動を表現したエッセイである。

やわらかなレタスの評価

総合評価
4.004.00
(2件)
文章力
4.504.50
ストーリー
4.254.25
キャラクター
4.004.00
設定
4.004.00
演出
4.004.00

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やわらかなレタスの感想

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「食」にまつわるエッセイです

「食」にまつわるエッセイです。著者は、果物が大好きで、夕食以外は基本的に、果物が主食なのだそうです。そんな風に果物を一杯食べるから、こういった透明感のある文章が書けるのでしょうか。硬い野草を食べてばかりいるウサギからすれば、人間の食べるレタスは、「なんてやわらかな!」食べ物なのでしょう、というのが印象的な本です。みずみずしく、美しい文章で、食べ物の事を語られると、とても美味しそうで、自分は食べている訳じゃないのに、何だか嬉しくなってしまうのです。この本で一番心に残ったのは、著者が、「私なら、断然鱈になりたい」と書いている所。知性も品位もありそうで、身がほどける所もいいと…きっと著者は切り身でしか、鱈をご存知ないのでは、と。まさに「たらふく」な鱈のお腹は、ぽってりしていて、大きな口と言い、いかにも食いしん坊な感じのする魚なのにな。。上品で美味しいお魚だけどね、と私が感じた事です。読みやす...この感想を読む

4.04.0
  • ぱきらぱきら
  • 165view
  • 441文字

穏やかな毎日の中にある発見

人の本棚を見ることは、その人の頭の中をのぞき見することとは、よく言われることだけれど作者のエッセイを読むことは、その人の日常生活をのぞき見することに似ていると思う。だから、私は作者にあったことはないけれど果物が大好きなことや、お風呂に2時間入ることを日課にしていることを知っている。知っているからこそ、そういう人が書く物語に惹かれてしまう。江國さんの言葉は、とても味わいがあると思う。このエッセイの中にある「果物、果物、果物!」などはただでさえ果物好きな私は反射的に果物を買いに行きそうになるほど。グルメリポーターのような表現はないのにとてもリアルに、おいしそうに食べ物が思い起こされる。食べ物以外の事ももちろんあるのだけれどどれも味わい深い言葉で描かれていて、本を書く人というのは、こんなに言葉を大切にして大事に扱っているんだというのを知ることができる面白いエッセイです。この感想を読む

4.04.0
  • ERIMARUERIMARU
  • 100view
  • 387文字

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