海辺のカフカのあらすじ/作品解説

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海辺のカフカ

4.004.00
文章力
3.63
ストーリー
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キャラクター
4.00
設定
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演出
3.50
感想数
4
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24

海辺のカフカのあらすじ・作品解説

海辺のカフカは村上春樹の10作目の長編小説であり「ねじまき鳥クロニクル」に次ぐ枚数の大作、2002年9月12日に新潮社より上下二冊で発刊、また2005年3月2日に新潮文庫として文庫化された作品である。 2005年にフィリップ・ガブリエルにより翻訳された英語版はニューヨーク・タイムズ紙で年間の「ベストブック10冊」、およびアメリカ合衆国の文学賞でもある世界幻想文学大賞に選出された。 物語は二つのパートから構成され、奇数章では15歳になったばかりの「僕」田村カフカが家を出て、四国に向かい数々の試練に立ち向かう。偶数章では、もう一人の主人公・ナカタさんと星野青年が四国へ向かう物語が進行していき、最終的に二つの物語が交差する展開になっている。 2002年9月12日から2003年2月14日までの期間限定で本作のホームページが設けられ、世界各国から質問や感想が寄せられ、それらは2003年6月10日発刊の「少年カフカ」に掲載された。 演出家・蜷川幸雄によりこれまでに2度、舞台化されている。

海辺のカフカの評価

総合評価
4.004.00
(4件)
文章力
3.633.63
ストーリー
3.503.50
キャラクター
4.004.00
設定
4.004.00
演出
3.503.50

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海辺のカフカの感想

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村上春樹、21世紀への船出 我々は何を失い、何を得たのか

考察のための事前情報村上春樹2002年発表作品、長編としては10作目に当たる。前後の長編としては「スプートニクの恋人」、「アフターダーク」村上氏は前作「スプートニクの恋人」執筆の際にそれまでの村上春樹的比喩表現をこれでもかと書き、そのあとは書き方を変えて行く、と宣言している。「スプートニクの恋人」でもそれ以前と作風の違いを感じたが、本作では更に過去作品のイメージを払しょくする挑戦をしているように思う。以下、その挑戦とそれに対する私なりの評価考察を記述する。新たなるキャラクター像本作に関しての様々なインタビューで村上春樹は主人公を15歳にする事は最初から決めていた、と語っている。過去作は未成年の主人公はほぼいない。あえて言えば「ノルウェイの森」のワタナベは作中で20歳になるので未成年の時期が語られてはいるが、彼はある程度人格形成が固まりつつある若者として描かれており、現役中学生であるカフ...この感想を読む

3.53.5
  • ゆっきーmk-2ゆっきーmk-2
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  • 2682文字
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海辺のカフカの登場キャラクター

大島さん

海辺のカフカの名言

差別されるのがどういうことなのか、それがどれくらい深く人を傷つけるのか、それは差別された人間にしかわからない。痛みというのは個別的なもので、そのあとには個別的な傷口が残る。

大島さん

高圧的な思想集団の使者に対して怒りを抑えきれなかった理由を主人公に語るシーン。大島さんは性同一性障害であるために差別されてきた経験があり、想像力の欠如がもたらす暴力的な行為を許せない。

僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける。大事な機会や可能性や、取り返しのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。

大島さん

家出をしたカフカが、多くのものを失いながら、新しい得るために家に帰ることを決め大島さんの別れのシーン

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