ブラックペアン1988の評価
ブラックペアン1988についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
ブラックペアン1988の感想
若かりし頃の「バチスタ」キャラ
「チーム・バチスタ」シリーズと同じく、東城大学医学部付属病院を舞台に繰り広げられる物語。しかしタイトルの通り、1988年が舞台で、研修医・世良の目を通して、若い日の高階、藤原、猫田、花房、田口、速水、島津ら「チーム・バチスタ」シリーズのメインキャラクター達の姿が語られている。1988年の医療がどんなものだったか、実のところ記憶していないが、読むことで医療は四半世紀でここまで進歩したのかとしみじみしてしまう。ところでこの物語の中には、大学病院内での権力争いの場面は存在するが、誰一人悪くは描かれていない。皆、自分なりに真摯に患者に向き合い、自分なりの医療を追求しているのだ。その姿は、世良だけでなく、読者の目にも非常に格好良い。「チーム・バチスタ」程のエンタメ性はないが、とても「読ませる」作品だと思う。