注文の多い料理店のあらすじ・作品解説
「注文の多い料理店」は宮沢賢治が書いた児童短編集で、その中に収録されている代表作である。 イギリス風の服装に身を固めた青年二人がうらさびしい山へ猟に赴くが、全く収穫はゼロ。連れてきた二匹の猟犬は、泡を吹いて死んでしまう。「大変な損失だ」と目の前の損得勘定しか考えない二人であった。おどろおどろしい雰囲気の中、二人は「西洋料理店山猫軒」と書かれた店を見つけ、喜んで入店する。しかし、「服を脱いでください」「体の金属物を取ってください」などと、いくつものドアの前には注意書きが貼ってある。初めは素直に従っていた2人だったが、最後に「・・・からだ中に壺の中の塩をたくさんもみ込んでください」との内容に「自分たちが料理を食べるのではなく、自分たちが西洋料理として食べられてしまうのだ」と悟る。鍵穴から不気味に光る瞳がこちらを見ているのを見つけた2人は、恐ろしさで身動きができなくなる。しかし死んだはずの2匹の犬が助けてくれた瞬間、何もかもが消えてしまい、寒風に吹かれて裸の2人が呆然と立っていたのだった。
注文の多い料理店の評価
注文の多い料理店の感想
ブラックユーモア・・?
注文の多い料理店は小学校でも読まれる作品。宮沢賢治の傑作のひとつといえるだろう。料理店を見つけた男が中に入ってみると、体にさまざまな調味料を塗るように指示される。おかしいなと思いながらも、素直に従ってどんどん塗り、すすんでいくと、最後には食べられそうになってしまう。宮沢賢治の作品はかわいいキャラクターも出てこないし、子供向けではないのかな?と思うけど絵本になったり、アニメになったりして、子供向けにようにされてる。私は小さい時に、注文の多い料理店を読んでから、宮沢賢治の世界観にはまってしまった。小学生・中学生にぜひ読んでもらいたい。
怖い話です。何度読んでも薄気味悪い後味が残ります。
小さい頃から、人形劇や、お話の会などで何度も触れる機会のあった『注文の多い料理店』は面白いけれど、とても怖い話だなぁという印象が強いです。二人のお客は、最後食べられずに済んだけど…薄気味悪い後味を残して、何となく人を寂しい気持ちにさせて物語は終わる気がします。宮沢賢治の作品は、何となく寂しくて苦手です。一番面白く読めるのがこの『注文の多い料理店』だと思いますが、これも読み返してみると、薄暗い感じで苦手です。面白いだけで終わらないのが物語としては良いのかなとも思うのですが、怖いです。うちの子供たちは怖がりそうですが、今度読んでみようかなと思います。
ケータイ小説に飽きたなら
文学作品入門として読んで欲しい。ケータイ小説や分かり易い言葉で書かれている小説は手に取りやすい。しかし、こってこての文語で書かれている小説は若者にとってはハードルが高い。学校の教科書だけで十分と思ってしまう。しかし、言葉の奥深さや、複雑な人間模様。古今東西に通用する教訓を学ぶことができる。私がこの作品を初めて読んだのは高校3年生の時だった。遅すぎるデビューだったかもしれない。少し難しい表現でも、なんとか読める。読後、「ちょっぴり大人に近づいた」そんな気がした。何年経っても色あせない作品、高尚な文学作品を読んでいただきたい。