性善説を信じたくなる短編集
“人の良いところ”を感じられる7つの短編この「幸せになる100通りの方法」は、全部で7つの短編で構成されている。その全てが、優しさや和やかさ、笑い、かっこ悪さ、そして真面目さに満ち溢れており、荻原浩らしさを感じさせる。荻原浩の作品は長編もいいけれど、短編もとても味わい深い。これだけでなく他にもある多くの短編集は荻原浩を初めて読むならこれだろうと思わせるくらい、彼らしさを感じることができる。また荻原浩の手にかかると、おっちょこちょいのおばあさんもリストラされたサラリーマンもブログアップに煽られている男性も、みんな一列だ。誰が立派で誰が出来が悪くて、といったものがない。みんな同じようにかっこ悪くて、それでも他からよく見られようとそれなりに努力しているところが、リアルで切ない。そういった身近で感情移入しやすい人たちが主人公の短編が、この本には収められている。ただ長編と比べて、どうしてもコメデ...この感想を読む
3.03.0
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